UDIF7をケースに入れました。(未だ中途ですが・・・)

ケースと工具類の買い出し

この大震災でいささか精神的にもめげていたのですが、被害を全く受けていない大阪の人間がめげていたのでは日本全体としても元気が出ないではないか!と思って、この三連休の真ん中に日本橋に出かけてきました。
目的は言うまでもなく、フェーズテックの「USB Digital Interface UDIF7」をおさめるためのケース探しです。
ただし、こういう事は全くやったことがないし、「koroneru」さんより親切なコメントも頂いたのですが、いかんせん経験のないものにとっては「文字情報」だけではどうしても実感がわきません。
また、前回は「大理石」などと大それたことを言ったのですが、調べてみると、大理石に穴を開けるのはかなり難しいことが分かりました。(^^;ですから、素人は素人らしくごく普通の市販のケースからスタートすることにしました。

そこで、日本橋の部品屋さんへ言っていろいろアドバイスを頂いて必要な「物」をそろえるという「作戦」を取ることにしました。
日本橋の「部品屋」さんというと、いかにもセミプロという感じの人たちがメモ用紙などを手にして、何だかブツブツと独り言を言いながら「物」をあさっているというきわめてディープな世界というイメージ(偏見・・・?)がつきまといます。
そんなところへ、「自作なんて初めてなんですが、どんなものが必要なのか教えてください」などと気楽に聞けるものか?というオソレもあったのですが、そこは長いこと人間をやっている強みと厚かましさで突撃してきました。

行ったお店は、「デジット」さんという部品屋さんで「共立電子産業」という会社の販売店らしいです。

どうして、このお店を選んだのかというと、目的のケース類の品揃えが一番多そうだったからです。実はもう一つ同じくらいの品揃えのお店もあったのですが、店員さんの数がとても少なく声をかけづらい雰囲気があったので最終的に「デジット」さんにしました。

まず、あれこれ手に持ってみて、最終的に選んだのがTAKACHIの「HEN110412B」というケースです。

とにかくズッシリとして安定感があるのが気に入りましたし、大きさも「W111.5×H43.6×D120mm」ということで、ちょうど良い感じです。
そこで、このケースを近くにいる店員さんのところに持っていって、「USB Digital Interface UDIF7」というDDコンバーターの基盤をこのケーズに取り付けたいのだがどうすればよいのかを聞いてみました。そして、自作の経験は全くないので、必要な工具類も一切持っていないので必要なものは全て購入したい旨も伝えました。そうすると、それはそれは親切に、あれこれ教えてくれてテキパキと必要な道具類を一式そろえてくれました。

聞いたところによると、必要なのは電動ドリルと、穴あけの位置を決めるための「センターポンチ」、そしてケースと基盤を固定するためのネジ類だと言うことです。
ただし、そのネジ類もケースから基盤を少し浮かせて固定するための専用のもの(スペーサーというらしいです)があるそうで、いくつか見本としてケースに基盤を組み込んだものをみせてくれて分かりやすく教えてくれました。
「センターポンチ」なる道具も必須ではないが、初めてならあったほうが便利だろうということでお勧めをしてくれました。

ただし、「USB端子の部分を四角く切るのはかなり難しいですよ」と言われました。
聞くところによると、そう言う四角く切る道具もあることにはあるらしいのですが、ケースの厚みが2ミリもあるので、よほど慣れた人間でないと無理だろうと言われました。(慣れた人間でも、切り取る歯の方が先にダメになる可能性が高いと言うことでした。)
よって、一番確実な方法は、ドリルで少しずつ大きく穴を開けていき、後は金ノコで四隅を切り、さらにヤスリで削って仕上げるがベターと言うことらしいです。つまり、手間暇惜しまずやるのが一番安全で確実と言うことらしいです。
その他、何人も店員さんがよってきてくれていろいろアドバイスをしていただき、締めて9000円ちょっとの出費でケースと工具・ネジ類を意気揚々と買い込んできました。

ただし、昨日はそれ以外にも野暮用があったので、とりあえず「工作」は翌日回しとなりました。

いよいよ工作開始

と言うことで、いつものように起きてきて、原発の未だ「安全」であることを確認し、さらには濃いめの珈琲で渇を入れて10時過ぎから作業に取りかかりました。
まずは言われたとおりに、「センターポンチ」で穴を開ける位置をマーキングしました。
なるほど、これは便利な道具で、ケーズの表面が少しへこむので、ドリルで穴を開けるときに歯が逃げないので確かに便利です。

さて、電動ドリルで金属に穴を開けるなどというのは生まれて初めての作業なので、最初の一つを開けるのにエライ苦労しました。電動ドリルというのは、あれこれ調整するところがいろいろあるのに、満足に説明書も読まないで使い始めたのが原因でした。(^^;
この説明書も読まずに勘で使い始めるというのは悪い癖なのですが、どうにも直りません。
でも、ドリルには「トルク」などと言う値を変える機能があり、それには金属用の設定があることが途中で分かり、漸くにして穴を開けることができました。
一つ開いてしまうと、どんな感じで穴が開くのかが分かるので、後はいとも簡単に開けることができました。

ところが、この開いた穴にネジを通して固定しようとすると、基盤の取り付け穴とケーズに開けた穴の位置が合いません。(^^;;

おかしい、「センターポンチ」を使って位置は間違いなくつけたのに!!と思ったのですが、よーく観察すると、悪戦苦闘して開けた最初の穴の位置が最初にマークをつけた位置から少しずれています。
これでは合うはずはありません。
仕方がないので、もう一度「センターポンチ」で位置をマークしてから、再度2つほど穴を開けました。
実に不細工ですが、素人工作ですし、どうせ穴を開けた面は底になるので見えやしません。
こうして、合計6個も穴を開けて、無事にケースに基盤を取り付ける事ができました。

前から見るとこんな感じです。スペーサーというネジのおかげでケースと基盤の間に空間ができています。

これで、かなりしっかりした感じになりました。

しかし、USB入力端子とSPDIF端子にあわせて穴を開けるのはかなり大変そうです。
たとえば。SPDIF端子の方は、買い込んできたドリルで開けられる最大警、6.5ミリでは小さすぎます。これは金ヤスリの類でゴリゴリと広げていくしかなそうです。
USB入力端子も私に力では四角く開けるのは難しいようなので、これも最大経で穴を開けてから金やスリでゴリゴリ戦法でいきましょうか。ただし、手元に金やスリがないので、仕事の帰りに明日買い込んできましょう。

と言うことで、今日は、こんな形で一面だけ開いた状態で動作させました。

ただし、これだけでも基盤だけで動作していたときとは安定感は全く違います。
それに、反対側から見ればこんな感じで完成しているように見えないこともありません。(^^;

さてその音質改善の効果は?

さて、肝心の「音」の方ですが、これは間違いなく苦労した甲斐がありました。素晴らしいのひと言です。

まず、基盤だけで動作させていたときの第一印象は「音が濃くなった」です。この点は「ND-S1」につきまとっていた「音の薄さ」に不満を感じていたので満足感は高かったです。
しかし、じっくりと聞き込んでいくと、この「音の濃さ」はいわゆる「筆の太さ」にも結びついていて、解像度という点では「ND-S1」に一歩も二歩も譲っていることがだんだん分かってきました。
しかし、基盤の性能からいって解像度で「ND-S1」に劣るというのは納得しがたい話で、おそらくその原因は基盤むき出しという振動対策皆無の結果ではないかと睨んでいました。

それだけに、この状態でも解像度は大幅に改善するのではないかと期待していました。そして、その解像度を維持した状態で音の濃さや密度感が維持されていればブラボー!!なわけです。

ということで、足下はタオックのインシュレーターを三点支持で履かせ、上からは鉛のインゴット(5?)で抑え込んで再生してみました。
最初に聞いたのは

ヴィターリ シャコンヌ (Vn)ハイフェッツ (Or)Richard Ellsasser 1950年8月4日録音

古い録音ですが、結果はまさにブラボー!!の一言につきます。ハイフェッツのヴァイオリンが濃厚かつシャープに鳴り響き、壮大な世界を描き出してくれます。
基盤むき出しの状態でも感じ取れた音の濃さや密度感はさらに磨きがかかり、課題だった解像度の問題は完全に解決していました。いや、その解像度の高さは「ND-S1」を上回っているかもしれません。
それから、背景の静けさが増しているのもはっきり分かりました。

なお電源に関してはメーカーお勧めの「電池駆動」を選択しました。
電池はエネループの単三4本を電池ボックスに入れていますが、音楽を聴いていないときに電池ボックスの電源をオフにしておけば、毎日2~3時間音楽を聴いていても10日前後は持つようです。エネループの単三を8本と充電器を要しておけば実用上ほとんど不便は感じませんから、これが音源としてはメーカーが言うようにベストかもしれません。

この後、天満敦子の「祈り」やセルのいくつかの録音(モーツァルトの40番、エロイカ)を聞いてみたのですが、どれを聞いても傾向は全く同じです。
やはり、この基盤の性能をフルに発揮させるにはケースに固定して、しっかりとした振動対策を施すことは必須のようです。

以上、私の様なド素人でもここまでできました・・・という拙い報告でした。


4 comments for “UDIF7をケースに入れました。(未だ中途ですが・・・)

  1. koroneru
    2011年3月22日 at 9:27 PM

    ついにケースに入れたのですね。
    穴開けについてなのですがポイントは固定です。
    いかにしっかり固定できるか?にかかっております。

    私はいつも重目の棚(元水槽台)に小型の万力を付けて固定しております。
    あと意外と金クズが出ますので、下にシートとかひくといいかもです。

  2. aizzak
    2011年3月22日 at 9:29 PM

    初めまして。昨年末ころよりよく拝見しております。
    Voyage MPD 本当にすばらしいです。 全くのLinux 初心者で使った事もなかったのですが、このブログのおかげで導入する事ができました。本当に感謝しております。
     今回ケースに入れるという事で苦戦しているようで、多少でも参考になればと思いコメント入れさせていただきました。初めてで2mm のアルミに四角い穴を開けるのはかなり難しいと思います。私も同じ型のHEN をいくつか加工しました。高価なケースなので非常に緊張しました。
     まずUSBの穴ですが、いきなり大きい穴を開けるのではなく2?3mm の穴をUSBの形の目印に沿って多数開けます(線ちょうどではなく穴を開けたときの刃の外側が0.2?0.3mm 位内側になるように狙って。ヤスリがけの余裕を残してください。)。穴と穴はぎりぎりつかない程度(0.5mm 位)が良いと思います。重なってしまうとドリルの刃が滑りやすくなります。次にその穴をヤスリの小さいものか、出来れば糸鋸などでつなげ最後にヤスリで仕上げをすると良いと思います。2mm の刃の方がヤスリがけは楽だと思いますが穴の数は多くなります。垂直にあけないと表と裏で穴の大きさが変わってしまいます。
     あと大事な事ですが、パネルに穴を開けるときドリルやヤスリが滑って傷をつけると悲しいので私は作業前にパネルの裏と表に透明なテープをきっちり貼って、作業をしています。これで多少の傷は防げます。テープの厚みを増せば安心度は高くなりますが、作業はやりにくくなります。
     あと、RCAプラグの穴を開けるときもいきなり大きい穴を開けるのではなく、例えば2mm →4mm →6mmと少しずつ大きくしていくと失敗が少ないと思います。最後にテーパーリーマーという道具があるのでこれで最終調整をするときれいに仕上がると思います。
     最後にパネルの穴あけに失敗したら部品としてパネルを取り寄せる事もできるお店もあります。最終手段としては穴あけ加工をしてくれる業者もあります。(金額は不明です)
     成功を祈っています。

  3. fake
    2011年3月22日 at 10:33 PM

    はじめまして、fakeと申します。
    いつも興味深く拝見させていただいております。
    大変詳しくかつ的確なコメントはいつも参考にさせていただいています。
    さて、UDIF7のケース作成作業を開始されたとのこと、いつも以上に楽しみに読ませていただいています。実は、私も購入したものの、未だ基板のままで止まっております。一応、ケースやスペーサーは用意してあるのですが、穴あけ作業の手間に頭を悩ませております。
    次回あたりにこのあたりの実践のドキュメントを読ませていただけるのではと楽しみにしています。
    それにしても、固定することの効果がそれほど大きいのであれば、急いで、固定するところまででも進めたほうがよさそうですね。
    大変参考になりました。ありがとうございます。

  4. ユング君
    2011年3月22日 at 11:07 PM

    いろいろアドバイスをありがとうございます。
    そうですね、リーマーという工具があることを知り、それを仕事の帰りに近所のホームセンターによって買い込んできました。

    とりあえず、お店で教えてもらったように、小さい穴から少しずつ大きくしていって、後はひたすら根性でリーマーで穴を広げていきました。
    見かけは至って不細工ですが、自作第1号としてはこんなもんでしょう・・・という感じで、無事に残りの一面も塞いでとりあえず完成させました。

    早速に、根性で穴を開けたUSB入力端子とSPDIF端子にケーブルを接続して音楽を再生してみました。
    結果は昨日の中途半端な状態からさらに大幅に音質がアップして唖然とするほどで、頑張ってリーマーで穴を広げ続けた甲斐がありました。
    本当に素晴らしい音で鳴っています。

    詳しくは、後日報告したいと思います。
    全くのド素人でも結構やれるんだという報告になると思います。

    それにしても、基盤が21000円、ケースと必要な工具類一式を買い込んで9000円ちょっとですから、合計で30000円です。
    この出費と後は根性さえあればこの音が手に入るんですね。
    良い時代になったものです。

Comments are closed.