USBケーブルをめぐる問題で困るのは、LANケーブルのように「転送されるデータの信頼性」という問題にシンプルに収斂できない事です。前回は「アイソクロナス転送」についてふれましたが、考えなければいけない問題はまだまだ存在します。
次に取り上げたいのはデータと電源が一本のケーブルに同居している問題です。
今さら言うまでもないことですが、多くのUSB機器は電源に接続しなくても動作するものが多いです。いわゆる「バスパワー駆動」と呼ばれるもので、PCからUSBケーブルを通してUSB機器に電源が供給される仕組みになっているからです。
USB転送は4本の線で接続されていて、そのうちデータが転送されるのはD+とD-呼ばれる2本の線なのですが、残りの2本は電源とグラウンド用として使用されます。(なお、USB3.0からはさらに5本の信号線が追加されていますので、仕様は少し異なるようです。)
この電源供給される信号線がUSBケーブルの音質に大きな影響を与えているのではないかというのが、今回の問題です。
これはもう、パッと考えただけでも分かると思うのですが、バスパワー駆動させる必要のない大部分のUSB-DACにとっては、こんなPC由来の電源が内部に持ち込まれるのは迷惑千万です。さらに言えば、ノイズ満載であろう電源とデータ信号が一本のケーブルの中で同居しながら転送されてくると言うのも、どう考えてもよろしくありません。
このあたりのことは「USBバスパワーの電源品質について」あたりをごらんいただければと思います。
電源系と信号系を分離する
ということで、USBケーブルの改善策として、素材競争が一段落すればこの「電源問題」が注目されるのは当然のことでした。
ステレオ誌4月号の「USBケーブルでこんなに音が変わる」でもアコースティックリバイブという会社のケーブルが紹介されています。
この会社のケーブルの特徴は、普通は一本であるケーブルをデータ用と電源用の2本に分けてある点です。
特に、高級仕様の方では、PC側の端子も信号系と電源系に分けられています。
<USB-1.0SL>
この会社のサイトへ行くと「現在全てのUSBケーブルは1本のケーブル内に信号ラインと電源ラインが同居している状態で、いかに音質が劣化しているかは容易に想像がつきます。しかもUSBケーブルの電源ラインはPCからの猛烈なノイズが乗っておりますので信号ラインへの影響は非常に深刻です。」と書いています。
これは、前回取り上げた「素材競争」よりははるかに説得力があります。
ケーブルを信号系と電源系に分離して、それぞれを徹底的にシールドすることで電源系のノイズが信号系に悪さをすることを防ごうとしているからです。ネット上を探ってみても、かなり好意的なコメントが多いようです。とは言え、1mあたり2~3万円というのはいかにも高額ですので、普通はなかなか手が出ません。そこで、いろいろ探してみると庶民の味方エルサウンドさんが「バイワイヤータイプUSBケーブル(OFC)」というのを製品化していました。それでも7000円ですから、このタイプのケーブルは制作にかなり手間がかかるようです。
素材やハウジングは至って質素ですが、発想は全く同じです。ハウジングに関しては外来ノイズとの関係で無視できないと思いますが、導体の素材に関しては個人的には「OFC」で十分だと思いますから、理屈の上ではアコースティックリバイブの高額ケーブルと同じような効果が期待されるのではないかと思います。ただし、試したことがないので断言はできません。
しかしながら、ここまでの対策を施しながら、それでもPCからの電源は最終的にはUSB-DACに持ち込まれるという「根本的な不満」は解消されていません。つまり、「電源ラインにのっているPCからの猛烈なノイズ」は途中で分離されても、最終的にはUSB-DACに持ち込まれることは防いではくれていない・・・ように思うのです。(もしかしたら、私の理解は間違っているのかもしれませんが)
電源系の信号線を切ってしまえ!!
そこで、電源系の信号線を切ってしまえば、ケーブルの中で悪さをすることもないし、USB-DACに持ち込まれることもないのではないかという発想が出てきます。
たとえば、エルサウンドさんが「データ専用USBケーブル」なるものを発売されていました。他の会社も似たようなケーブルをいくつか発売されていたようです。
エルサウンドさんは商品紹介の中で「発売中の(USBーDAC)はUSB接続ですがバスパワーは全く利用しておりません。従って不用な電源をわざわざ機器まで連れてくる必要がないどころか繋がっていない方が当然良い結果を生みます。ところがバスパワーを通さないUSBケーブルは世の中に存在いたしません。ならばと言うことで今回OFC(無酸素銅)素材のケーブルを自社制作する事にいたしました。豪華さを競うためのハウジングは使用せずにチューブ加工による手作りですが手間はかかっております。」と述べています。
実にシンプルにして簡明な方法なのですが、残念なことにこの発想には致命的な欠点が存在していました。
それは、電源系の信号を切ったケーブルを使うとほとんどのUSB-DACがPC側から認識されなくなるのです。しかしながら、一部(たとえばエルサウンドさんのUSB-DAC)には何の問題もなくPC側から認識されて動作するUSB-DAも存在します。
そこで分かってきたのは、「大部分のUSB-DACはPC側からの電源信号を受け取ることで動作を始める仕様になっているらしい」と言うことです。
ですから、電源系の信号線を切ったケーブルではUSB-DACはいつまでたってもPCに接続されたことを認識しないのでホストとノードとの間でのやりとり(コントロール転送)が始まらず、結果としてPC側からは「認識されない」と言うことになるのです。
それならば、別途電源を用意して、そこからUSBケーブルに認識用の電気を供給してやればいいではないかという「コロンブスの卵」のような発想(荒技?)が生まれることになりました。
この発想の元祖が誰なのかははっきりしませんが、柴崎功氏がMJ誌6月号の特集に「USBクリーン給電器の製作」という記事を掲載されたことで広く認知されるようになったようです。すぐに多くの自作マニアたちが制作をされて、その音質効果の絶大なことを報告されています。
と言うことで、私もやってみたいなぁ・・・と思っていたのですが、どうもこういう電気関係の自作には疎いので指をくわえて眺めていたのですが、またまたあのエルサウンドさんが柴崎氏の記事を元に製品化をしてくれました。
それがこれです。
その後、供給する電源を「認識用」レベルから「バスパワー駆動」も可能なレベルにまでパワーアップした「改良版」も発売されましたので、ものは試しと言うことでこの「改良版」の方を購入してみました。
柴崎氏は実費4000円程度で制作可能と記しています。エルサウンドさんの製品は電源部分をスイッチング電源ではなくしっかりとしたトランス式の電源を使って8900円ですから良心的な価格設定です。おまけに、自作の手間暇(それが楽しいという人にとっては何を馬鹿なことを言っているのだと言われそうですが)を考えれば、8900円というのはお買い得と言ってもいい価格だと思います。
さて、問題はその音質なのですが、柴崎氏はMJ誌の特集記事の中で「想定外の音質改善にびっくり仰天、hiFaceから凄まじい迫力の迫真音場が引き出せた」と書いていますが、残念ながらそこまでの効果は実感できませんでした。エルサウンドさんも商品紹介の中では「データ専用USBケーブル汎用版はPCの電源を機器に持ち込まない便利なアイテムですが電流供給能力が僅か30mAしか無く認識信号用でバスパワー利用機器では殆ど使えませんでした。少し高級な感じにしたらというお客様の声にもお答えして改良版(Improved)を発表いたします。」という、至って控えめなものです。
ですから、実際に使ってみて、「びっくり仰天」するほどの改善はありませんでしたが、いくつかの点で明らかに改善されている部分を指摘することはできました。
それは、柴崎氏も記事の中で指摘されている「瞬発力」の改善です。これは、全体的なノイズレベルが下がることによって音の立ち上がりが大幅に改善されたのが原因かと思います。
特に感心したのは、このアルバムです。
グラン・タンゴ?加藤知子&フッソング・プレイ・バッハ&ピアソラ
アコーディオンという楽器はかなりエッジの立った音の立ち上がりをするのですが、今まではそれが少し緩めで不満でした。これがバッハのような音楽ならばまだ許せるのですが、ピアソラとなると絶対にだめです。しかし、このケーブルを使うとまさに目が覚めたようなすばらしいエッジ感を表現してくれました。
私は、音楽再生において耳に優しい「美音」は求めていません。演奏家がその演奏に込めた「気迫」みたいなものが伝わってくるような音を追い求めています。たとえば、ヴァイオリンの生演奏を近くで聴くと結構汚い音も混じっています。しかし、そう言う音も含めてこそ演奏家の気迫が伝わってくるのだと思っています。この瞬発力の改善は、そう言う音が出る瞬間の「ガッ!」というような部分も鮮やかに再現してくれます。ですから、私にとってはこういう方向での変化は大歓迎です。
ただし、柴崎氏がもうひとつ指摘されていた「大地に根を生やしたような安定で底力のある重低音が再生され」たというような低音域の改善はあまり実感できませんでした。柴崎氏が音質チェックに使ったのが「バスパワー駆動」で動作するhiFaceだったのに対して、私の場合は電池駆動のUDIF7を使ったのが原因かもしれません。
このケーブルの仕組みから言って、音質改善効果はバスパワーで動作する機器の方が大きいようです。しかし、自前の電源で動作する一般的なUSB-DAC(DDC)でも瞬発力や透明感の向上は間違いなく指摘できるケーブルだとは言えそうです。
と言うことで、柴崎方式のエルサウンドの「データ専用USBケーブル汎用版」は一定の音質改善の効果があると断言できそうです。
ケーブルの素材に高価なものを使うことによる音質改善に関しては眉唾でしたが、電源とデータが同居するというネックに切り込むケーブルに関しては効果ありと断言したいと思います。
ただ、今回の記事を読み返してみると、まるでエルサウンドの宣伝記事のようだと苦笑してしまいましたが、私は決してエルサウンドの回し者ではありません。(~-~;)ヾ(-_-;)オイ
次回は、外来ノイズが与える影響について考えてみたいと思います。ほんとに、USBケーブルは突っ込みどころ満載です。
どうもお久しぶりです。高度な話題が続いていたので、ここしばらくはずっと見ているだけでした。
USBのバスパワーのノイズについてなのですが、単純(と言うかバカ?)な疑問が浮かんでしまったので書き込んでおります。
と言うのもですね、自分はヘッドホンで音楽などを聴いているのですが、音楽をかけてない状態でボリュームをめいっぱい上げても、ノイズらしいノイズは無く、自分の耳(だいぶ疲れた耳のはずですので、そもそもこれが問題かもですが)には無音に聞こえます。
ちなみに自分のとこの構成は。
PC>USBでUDIF7>同軸でヘッドホンアンプです。
そこで疑問が浮かんだのです。
「自分の耳には感知できないノイズもやはり音楽には影響するのかな?」と。
最近(でないかも知れないですが)の研究で、たとえ可聴領域では無い周波数帯でも、特定の楽器の響き?などに影響するとかいう記事も見た事があります。
ここらへんはどう思いますか?
>USBのバスパワーのノイズについてなのですが、単純(と言うかバカ?)な疑問が浮かんでしまったので書き込んでおります。
いやいや、小難しい理屈を振りかざすよりはこういう率直な疑問の方が問題のありかをクリアにすることが多いと思います。
>「自分の耳には感知できないノイズもやはり音楽には影響するのかな?」と。
デジタル由来の高周波ノイズというのは300Khzみたいなレベルですから、当然再生されることはないと思います。もしも、そのまましっかりと再生されたら、アンプは発振してしまうし、スピーカーのコイルは焼き切れてしまうようです。(他人からの受け売りです^^;)
ですから、問題は、そのような高周波領域のノイズが可聴域の音声信号に悪さをするところにあるようです。
では、どんな悪さをするのかというと・・・、どうもクリアにはなっていないようなのです。高周波信号はオーディオ機器には大敵だと言うことは、自明のことのように主張されるのですが、では具体的にどのような悪さをするんだと言うことを明確に述べている記事は読んだことがないように思います。
ですから、素人の率直な疑問が大切なんだと思います。
個人的に思いつくのは、ONKYOが新製品のセパレートアンプで主張していた「ビート現象」はあげられると思います。
334Khzのノイズと335Khzのノイズが重なると、それを引き算した1Khzのノイズが可聴域に乗っかるというものです。
それ以外では、デジタルデータが「0から1」「1から0」へ遷移するときに高周波ノイズが悪さをして結果として時間軸のズレをもたらすというのもあります。
このあたり、いろいろな考えを聞かせていただくとうれしいです。
おひさしぶりです。
とどまるところを知らない探究心と実行力に敬意を表します。
私はWINDOWSから離脱するスキルがないので、皆様のご発展を指をしがんでみております。
さて私はCDドライブもインターフェースもIEEE1394接続なので、バスパワー電源ラインを割愛したケーブルを自作して愛用していますが、
今回のテーマのUSBDACの場合でしたら、別供給電源を電池にしてみる案はいかがでしょうか?
的外れでしたら、門外漢のたわごととお聞き流しくださいませ。
>今回のテーマのUSBDACの場合でしたら、別供給電源を電池にしてみる案はいかがでしょうか?
理屈から言えば電池から供給される電源がクリーンさでは一番でしょうね。実際、フェーズテックさんの「UDIF7」も電池駆動にすると音の雑味がとれるのがはっきり分かります。
ただし、エルサウンドさんのケーブルであっても、使い始めてから1週間ほどでシステムになじんできたのか、音の透明度、立ち上がりの瞬発力はさらに向上してきました。さらに、前回は?マークをつけた低域方向の改善も幾ばくかは感じ取れるような気がします。
自作のノウハウに乏しい人間にとっては「これで十分かな・・・」と思わせるクオリティです。
でも、供給する電源を電池に替えればどんな音がするのかは、一度聞いてみたいきはしますね。(ただし、バスパワー駆動は無理だろうなとは思います。)
今ひとつ理解出来ない所があります。
USBケーブルで転送されるデータってアナログじゃありませんよね?
デジタル信号ですよね?
で、そのデジタル信号にノイズが乗って音が変わるって言うのは、データが改竄されてしまうってことですよね?
それって、エラーって事じゃないですか?
PCで音をデジタル化した時点でデータは出来上がっていて、そのデータを各機器にUSBケーブルを通して転送する。
で、このデータは1と0のデジタル信号です。
で、ノイズが乗って1と0が書き換えられてしまうって事ですよね?
それとも、転送はデジタル信号が書き換わらないけど、各機器に転送されたデータが各機器内でデータと共に乗っかったノイズによりデータをアナログに変換する時にノイズが乗ってしまうっていう解釈すれば良いのでしょうか?
USBケーブルってデジタルデータを転送するものですから、アナログ的な要素は関係無いような気がします。
それこそ、都市伝説って言う気がします。
初心者の素朴な疑問です。
>USBケーブルで転送されるデータってアナログじゃありませんよね?
デジタル信号ですよね?
このあたりの事は都市伝説の最初の方で論議し尽くされていますので、できれば最初の方からフォローしていただければと思います。
ただ簡単に言えば、デジタルといえどもその実態はアナログな電気信号によってやりとりされると言うことです。決して1や0という数字がやりとりされているわけではありません。
蒸し返しになりますが。
ディジタル信号は正確に伝送されています。
正確に伝送されていなければ音飛びや酷いノイズが発生します。
少しだけ音質が悪化する、言い方を変えれば音量の最下位ビット辺りだけを変化させるような伝送エラーを選択的に起こすことなど不可能です。最大音量を示すデータも最小音量を示すデータも、伝送上は全く区別がありません。
これは音質とは別次元の話です。
ディジタル回路はノイズの存在を前提に信号判定の閾値を決めていますので、今想定しているようなノイズでは誤動作しません。
もし誤動作するなら設計の失敗です。
従って、ディジタル信号自体が変わってしまって正確に伝送されないので音質が悪化している、などと言うのは将に都市伝説です。
あくまでも、アースや電源ラインを通じてノイズがアナログ段に回り込み、最終的なアナログ信号品位を劣化させている可能性があるのではないかと仮定し、この仮定が真であるなら何とか対策できないだろうかと言うのが今の皆さんの試行錯誤だと理解しています。
>あくまでも、アースや電源ラインを通じてノイズがアナログ段に回り込み、最終的なアナログ信号品位を劣化させている可能性があるのではないかと仮定し、この仮定が真であるなら何とか対策できないだろうかと言うのが今の皆さんの試行錯誤だと理解しています。
ありがとうございます。
全くその通りです。ただし、そのノイズの回り込みがなかなか遮断できないので困っているというところでしょうか。
ただ、伝導ノイズは電気信号の電圧変動に重畳してきますので、本体の電気信号の電圧変動に微妙な影響を及ぼすのではないかと言う疑いもぬぐいきれません。
そうすると、データ的に0から1に、または0から1へ遷移するタイミングが微妙にずれてしまうはずです。もちろんデータ的には全く欠落しているわけではありませんが、それでも時間軸が微妙にずれてしまうような事っておこらないのかな?という気もします。
とは言え、本丸は明らかにアナログ段に紛れ込むノイズの駆除でしょうね。
ユングさん
>そうすると、データ的に0から1に、または0から1へ遷移するタイミングが微妙にずれてしまうはずです。もちろんデータ的には全く欠落しているわけではありませんが、それでも時間軸が微妙にずれてしまうような事っておこらないのかな?という気もします。
それは起るでしょう、データ化けではなくて所謂ジッターですね。ジッターが大きいとディジタルからアナログに変換するDAコンバータの基準クロックが揺らいでしまうので再生品位を落とすと言われています。
今使っている環境では、以前にも書いた通りDAコンバータの直前ににメモリバッファを置き、クリーンな局部発振器に同期させて読み出しながらDAコンバータを駆動しています。
それでもALIXの電源やUSBケーブルのアイソレートなどで明らかに音が変わりますので、ノイズがアナログ段に回るのが主犯かなと考えるようになりました。
これを止めることができない自分の能力不足にも少しうんざりしています。
●シャカリキ様
>ノイズが乗って1と0が書き換えられてしまうって事ですよね?
これは、USB転送のような純パソコンの世界では起きません。エラー訂正できないほど酷かったら、その時点で処理がストップします。試しに、データCDやDVDを焼いて、円周方向に酷い傷をつけてから、コピーなどしてみて下さい。
なお、Phoenicia様が、
>正確に伝送されていなければ音飛びや酷いノイズが発生します。
というのは、音楽CDを再生したり、リッピングする場合ですね。これも稀ですが。
●Phoenicia様
(いちおう、放射ノイズは無視すると)進入経路としては2つしかないわけですよね。信号ラインと電源ラインです。
で、信号ラインはよしとして、今は電源ラインをお考えのようですね。絶縁トランスという方法もあり、StarterKitの消費電力も少ないのでバッテリー駆動、という方法もありそうですね。
私としては、信号ラインも怪しいと思っています。例えば、QA-550というハンディなSDトラポを電池駆動させて光でDACと繋いでも、電池の種類、光ケーブルの違い、SD(HC)カードの違いで、音が違いました(理由については、説得力がある資料を提示できませんが ^^;;)。
ありがとうございます。
非常にすっきりと致しました。
USBケーブルによる音質変化は在るのだろうとは思っていたのですが、理由がすっきりせずに居ました。
やはり、USBケーブルに乗るノイズがアナログ部分に悪影響を及ぼすと考えるほうが自然だと思ってはいたのですが、今一つすっきりしませんでした。
これは、HDMIケーブルでも同じような解釈が出来るのでしょうか?
HDMIケーブルでもケーブル長が長くなればノイズも拾いやすくなりますよね?
なんか便乗ですみません。
こういうのがWikiに書いてまりますよ
USB 3.0
電磁放射ノイズのピークを下げるために、スペクトラム拡散クロックが必須とされた。
放射電磁雑音対策のために、信号ケーブルにはシールド付きの物を使用するが、規格である3mの伝送距離を満たした試作品は直径6mmあり、携帯機器によってはUSBケーブルで宙に浮いてしまう。そういった事態を避けるために今後、伝送距離を1m程度に短くし、伝送損失が許される範囲の規格で更に細い信号ケーブルを使う事も検討されている。
ということで2.0でノイズが入るのはデフォルトのようです
3.0で対策されるようになりました
USB3.0の放射電磁雑音対策とは、外来ノイズに対する対策ではなくて、ケーブル自体が放射するノイズ対策のことですね。USBケーブルに限らず、デジタルケーブルのシールドというのは、自身の放射ノイズを防いだり、ケーブル内の線間クロストークを防ぐのが第一の目的である場合がほとんどです。
デジタルの世界で真っ先に問題となるノイズというのは、機器のデジタル処理(電源のオンとオフの切り替え)によって必然的に発生するノイズのことで、電源や空中からの外来ノイズよりもはるかに大きな要因です。
したがって、ケーブルに飛び込んだ外来ノイズによって最終的にアナログ段に影響が出る可能性というのも多少はあるかもしれませんが、最大の理由はジッターに影響が出るからということだと思います。
デジタルオーディオでデジタル化されているのは、音楽再生に必要な振幅とタイミングのうち、振幅の情報がデジタル化されているだけにすぎません。タイミング情報は完全なアナログ情報であって(デジタル化できません)、それこそあらゆる要因の影響を受けます。したがって、ケーブルを変えただけでもアナログ情報であるタイミングに影響が出るはずです。ケーブルで伝送されるデジタル信号自体もアナログ波形で成り立っています。また、スピーカーからの音圧による物理的な振動の影響も受けます。USBやLANのジャックは基板に直付けされていますから、ケーブルを伝わる振動はもろに基板も揺さぶります。
最新の機器ではこのあたりの対策も進んでいて、DAI(USB信号の受け口など)に光デバイスなどでアイソレーション機能を持たせてノイズを遮断し、USB DACではアシンクロナス転送(受信側のクロックでデータを再構成)が常識となっています。USBやLANのジャックを基板にではなく、シャーシにがっちりと固定している機器も登場しています。
そしてこのような機器を使ってみると、ケーブルによる音質の変化も相対的に小さくなるのがわかります。