素晴らしい音質に変身、シンさんの最新ヴァージョン(9月23日)

少し前から気づいてはいたのですが、シンさんヴァージョンの「Voyage MPD」が9月23日付で更新されていました。
変更点は以下の通りです。

[change log]
1) mpd 0.18git + Mr.yan’s patch
2) 3.2.28rt42 kernel
3) newest lib files
4) etc,,,,,

つまりは、MPDを最新ヴァージョンにアップデートし、それにyanさんのパッチファイルをあててくれています(mpd 0.18git + Mr.yan’s patch)。また、OSのカーネルも最新ヴァージョンにアップデートしてくれていますし(3.2.28rt42 kernel)、関連するライブラリも最新のものになっている(newest lib files)ようです。
もう、「感謝!!」としか言いようがありません。

ダウンロード先は以下の通りです。

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http://daham.able.or.kr or ftp://daham.able.or.kr
user-ID: alixuser
password: voyage
FileName: 120907-V085-xfs-3228rt42-mpd_yan-clkup-alsa1025-pwr_btn-dsd-2share.rar

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さて、今回驚かされたのは、前回までのヴァージョンとは音の傾向がかなり変わっていることです。
もう少し、率直に言いますと(^^;、自分で構築した「Voyage MPD」はもう用済みだな・・・と思ってしまうほどの素晴らしさでした。

実は、前回まで、自分で構築した「Voyage MPD」とシンさんの「Voyage MPD」を比較すると、「まあ、一長一短だな」などと偉そうな事をほざいておりました。
これはまあ当然のことでして、私の「Voyage MPD」は私の再生システムになじむように、さらには自分の好みの方向でチューニングしているのですから、そうそう簡単に「上回られて」は困るのです。
具体的に言うと、音の太さや柔らかさ、質感みたいなものはシンさんの方に軍配が上がりますが、透明感や解像度では我が家の方に分がありました。そして、私の好みは明らかに「高解像度」を指向してますので、「シンさんのもいいけれど、日常使うのはやっぱり我が家のヴァージョンだよね!」などとほざいておったのです。

ですから、9月23日に更新されながらも、1週間以上も放置しておったのです。しかし、仕事の方も一段落したこともあって先週の3連休にダウンロードしてきて古いヴァージョンと入れ替えて聞いてみました。
最初の一音が出た瞬間に「おやっ?」と思いました。明らかに音の傾向が違います。
そこで、シンさんのサイトのハングルを翻訳してみると「私見ですが以前の発表したバージョンとは音質差が少しあるようです。」と述べておられるではないですか。

これはこれは、何という控えめな物言い。
最初は「おやっ?」と思ったのですが、じっくりとあれこれ聞いているうちに「うーん!」と呻ってしまいました。音の太さや質感の豊かさは今まで通りですが、音楽の背景の静けさが格段に素晴らしくなっています。それは、単純に解像度や透明度が上がったというのとは違うようで、何というか、音楽のたたずまいみたいなものが本質的に変わってしまっているような気がするのです。
そして、こういう傾向の音ってどこかで聞いたことがあるような気がするな・・・と思いをめぐらせて気づいたのは、100万円を超えるようなCDプレーヤーが描き出す音の世界です。

<例えば、こんな奴(^^;・・・です「TAD-D600」>

私には一生縁がありません・・・が。

もちろん、そう言う「超高級機」を聞いた機会というのはそう数多くないのですが、その数少ない機会で聞いた経験からすると、こういう音楽の背景の静けさ、雰囲気みたいなものを描き出す力を確かにそのような超高級機は持っていました。
ただし、誤解のないように言い添えておきますが、だからといって、ほんの1万円程度の「Voyage MPD」の「Starter Kit」が100万円をこえる超高級CDプレーヤーと肩を並べたとか、凌駕したなどと言い張るつもりはありません。ただ、そう言うシステムで、そう言う雰囲気の世界を描き出すレベルにまで達したと言うことに驚きを覚えたのです。

おそらく、そう言うハイエンドの世界というのは、煎じ詰めれば最後は「雰囲気」がでるかどうかであって、そして大切なことはその「雰囲気」が「いい雰囲気」なのか「悪い雰囲気」なのかが評価の分かれ目だと言うことです。
そして、「Voyage MPD」も、そう言う「雰囲気」で勝負のレベルにまで近づきつつあると言うことを今回のシンさんの最新ヴァージョンは教えてくれました。

残念ながら、今日をもって我が家ヴァージョンの「Voyage MPS」は二軍落ちし、一軍にはシンさんの最新ヴァージョンが腰を据えることになりました。
「Voyage MPD」ユーザーは、絶対に一度は試してみる価値のある素晴らしいシステムです。


9 comments for “素晴らしい音質に変身、シンさんの最新ヴァージョン(9月23日)

  1. takagi
    2012年10月14日 at 10:41 PM

    いつも参考にさせていただいています。

    シンさん「Voyage MPD」9月23日付ヴァージョン、1週間ほど前に気付き、インストールしてみました。
    仰るとおり、音楽の背景の静けさが格段に素晴らしくなっています。
    さらに、DSDネイティブ再生もできるようになっているのですよね。(RUDD24-CHORD QUTEとつないでみて、CHORD QUTEのランプの表示がDSD再生を示す白になっているので、多分できているのだと思います)。こんなに簡単にこんなに低コストで、DSD再生ができることに感激、シンさん、yungさんに感謝です。
    再生してみるとDSDオリジナルもいいですが、44.1のファイルをAUDIOGATEでDSDに変換したものも、44.1と違った生々しさが出ています。こんな音が入っていたのかと驚いています。

    すべての44.1ファイルをDSDに変換しようかと考えています、ただしハードディスクがたちまちいっぱいになりそうです。

    なお、Voyage Linux 0.9-rc1も発表されたので、つぎはこれを試してみます。

  2. Poo
    2012年10月16日 at 1:58 PM

    いつもいろいろな情報、ありがとうございます。
    シンさんのvoyageMPD0923
    試してみました。前回のバージョンでは、僕の環境でdsdネイティブ再生ができなかったのですが、
    今回は、見事再生できました。
    Interfaceをmpodのためにstaticにし、
    confをちょっとコメントアウトしただけで、win,Macと同様に再生できました。
    音も抜群です。pcを立ち上げなくてもalixボードとiPadだけで簡単に操作でき、
    大変便利です。dsd dacはフェデリクスカプリースとi2s接続で、そして、エレアトさんのdsd1794でも聴けました。もちろんUDA-dop基板経由です。ただ残念ですがdsd256は再生できません。
    もう一つ、dsddacなしでLPFだけでもdsdネイティブ再生ができ、こんな便利なことはありません。
    家のほかのMPDでもdacなしで聴けます。ほんとにこんなことができるとは、驚きです。
    あとは、エレアトさんが準備しているPCM2DSD変換ができれば、wavをいちいちdiffに変換しなくてもokになりますね。
    今回は大変ありがとうございました。これからも、楽しみにしています。

  3. Poo
    2012年10月16日 at 2:03 PM

    Takagiさんに、質問よろしいですか。
    QuteHD購入しよかと思っているのですが、dsd128は再生できますか。
    Mytekはできないようなので、QuteHDはどうでしょうか。

    すいませんが、よろしくお願いします。

    • takagi
      2012年10月17日 at 11:56 PM

      Poo 様

      返信が遅くなりました。

      44.1のファイル(サイズ38.4MB)をAudioGateでDSDIFF 5,6MHzに変換しました(サイズ307MB)。このファイルをMAC-Audirvana-QuteHD
      で再生しました。
      Audirvanaの表示はDSDIFF 1bit/5.6MHz(DSD128) DAC:24/176kHzで再生しました。ただし、QuteHDのランプはDSDの白ではなく、176の青です。
      確かなことはわかりませんが、おそらくDSD128は再生できていないような気がします。正確には販売代理店にお確かめください。

      • Poo
        2012年10月18日 at 9:43 AM

        ありがとうございます。やはり64までですか。
        64でも十分満足できる音ですが、データをすべて128に変換してしまったので……
        大変参考になりました。ありがとうございました。

  4. 2012年10月17日 at 10:47 AM

    こんにちは。

    0.9とシンさんバージョン(20120923)の両方を試してみましたが、当方もシンさんバージョンに軍配を上げてしまいました。

    USB DDCはJAVS X-DDC(XMOSベース)を使用していますが、この組み合わせで(価格を抜きしても)かなり高いレベルの音楽再生を楽しめることは大変ありがたいことですね。

  5. tek
    2012年10月18日 at 8:17 AM

    こんにちは。
    以前NASの導入でお世話になった者です。
    今回シンさんバージョンを導入しまして、
    自分の好みで調整していたStarter Kit付属のCFカードと比べて
    やや大人しくなった気はしますが、好みの差以上にハッキリとした音質の向上が感じられました。
    ただ一つ問題がありまして、GMPCでの表示で文字化けが起こってしまいます。
    フォルダ名は全てきちんと日本語で表示されますが
    曲名だけ日本語表示できている物と文字化けする物との二つに分かれてしまいます。
    全て曲情報のタグを付与していないそのままのwavで管理しています。
    Starter Kit付属のCFカードを使っていた時には文字化けは一切起きませんでした。
    この点について何かご存知でしたら教えて頂けないでしょうか。
    よろしくお願い致します。

    • 2012年10月27日 at 12:16 PM

      シンさんの新しいヴァージョンがリリースされて、

      「localesはインストールされております.「dpkg-reconfigure locales」 コマンドで日本語の字化け対策になるかも知れませんが・・・」となっています。

      「試したことなどありませんので自信なしです。 」と語られいますが、やってみる価値はあると思います。
      私も早速にダウンロードして確認してみたいと思います。

      ホントに、文字化け対策は大変ですね。(^^;
      よって、私はファイル名は全てアルファベット表記を使っているのですが、たまにJ-POPの曲をリッピングしたときはさすがに不便ですね。

  6. たろ
    2012年12月3日 at 11:15 AM

    こんにちは
    Voyage MPDの導入で大変お世話になっております。

    昔アナログの時代には、アンプ制作などもしたのですが、ずっとご無沙汰のまま最近まで過ごしてましたが、オンキョーのデジタルアンプの購入を機に、ZENSOR1の購入、そしてUbuntu Studioの導入から、手持ちのノートにインストールしてUSB-DDC(TE7022L)から、A-7VLに繋いでいます。

    昨日音出しに成功したのですが、出てきた音にビックリしました。いままで出ていた音にモヤモヤ感があり、「なんか違う」という思いでいたのですが、とてもすっきりしました。

    いままでデジタルデータの転送、ちゃんといってなかったのがはっきりわかりました。これから先の世界はどのようなものなのか、期待がもてました。

    きっかけを与えていただきありがとうございました。

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