枯れた技術と枯れていない技術

ネットワークオーディオプレーヤーについてコメントを頂きました。

Fujiさんよりネットワークオーディオプレーヤーについてコメントを頂きました。コメント欄でお返事をしようかとも思ったのですが、書き始めると意外と長くなりそうなので稿を改めさせていただきます。
頂いたコメントの概要は以下の通りです。

「ご提案戴きましたネットワーク・トラポの件に付きまして。(juubeeさん、ご提案戴きありがとうございました。)

昨日近くの家電量販店のリスニングルームに行き、ネットワーク・プレーヤー等の実力を確認すべく訪れました。
展示品の中に、マランツNA-11S1、ヤマハ」NP-S2000、パイオニアN-50が視聴可能な状態でしたので、・・・自分が音質評価に使用している音楽WAVEデータでマランツNA-11S1・・・で再生して貰い、次にNAS経由の楽曲も合わせて視聴しました。

又、ネットワーク・プレーヤー内蔵DACでは品質が良くないと言うことで外部DACに切り換えての視聴も行いました。
例によって音質の評価ですので独断と偏見になりますが、正直申しまして、言葉は悪いですがこの程度の音かと思いがっかり致しました。ヤマハNP-S2000に付いても似たり寄ったりで自分にとってはあまりピンと来ませんでした。これだったら自分が構築した・・・音の方が良いのかなと勝手に思っております。

やはりネットワークプレーヤーで再生する場合はLinn DSクラス・・・でないと駄目なのでしょうか。
ユングさんはどの様に思われますか、是非ご見解戴きたく宜しくお願いいたします。又皆様の中でこの様な視聴をされた方がいらっしゃれば、ご意見戴きたく宜しくお願い致します」

マランツの「NA-11S1」と言えば、「ハイレゾ音源のメリットを十二分に引き出すために細部まで妥協のないノイズ対策が施された記念モデル」と言うことで、Audio Accessoryの最新号でも詳しく紹介されているモデルですね。

Marantz NA-11S1

NA-11S1_1

上記のコメントで一つだけひっかったのが「ネットワーク・プレーヤー内蔵DACでは品質が良くない」という店員さん(DENONからの派遣らしいです)の発言です。
このモデルのDACはマランツのフラグシップCDプレーヤーである「SA-11S3」に搭載されてるものとほぼ同等のクオリティを持っています。まるっきり同じものではないようですが、ほぼ同等品と思って差し支えないようです。私は実際に聞いたわけではないので何とも言えませんが、マランツの方が聞けばきっと異議を申し立てたくなるでしょうね。(^^;

試聴室の限界

さて、上記コメントを拝見しての私なりの感想ですが、ひと言で言えば「家電量販店のリスニングルームでの試聴では、きっと実力の半分も出ていなかっただろうな・・・。」に尽きます。ですから、同じ環境で「Linn DSクラス」を聞いたとしても、おそらくは「この程度の音かと思いがっかり」された可能性が高いと思います。

昔と比べれば足を運ぶ回数は減りましたが、それでも年に数回は日本橋に出向いては興味のあるモデルの試聴は行っています。
その経験から言っても、あるモデルに絞った特別な試聴会でもない限り試聴室での音は「酷い」ものです。
そして、特別な試聴会であっても、結局は短期間で環境を整えないといけないので十全とは言い難いレベルの音に留まっているのが実情です。

ですから、そう言うお店の試聴において大切なことは、その時に鳴っている音が「良いのか悪いのか」ではなくて、それを自室のリスニング環境に持ち込んだときにどのレベルにまで引き上げられるかのかという「可能性」を見極める眼力です。
正直なところ、オーディオ機器というものは身銭を切って買い込んで、そしてそれを手元に置いて実際に使いこなしてみないと本当のところは分からないものです。

ある人が「A」というモデルを導入してそれを素晴らしいと絶賛していたとします。
その言葉を信じて、別の人が「A」を導入します。
しかし、その別の人は「こんなモデルのどこがいいのか分からない」と宣ったとします。

さて、これはどちらかが「嘘」を言っているのでしょうか?
可能性としては、以下の4点くらいがあげられるでしょうか?

  1. ある人の絶賛は「ステマ」だった。つまりは嘘つきだった(^^;
  2. 別の人には「A」というモデルを使いこなす能力がなかった。
  3. 別の人のシステムと「A」というモデルの相性が悪かった。
  4. そもそもある人と別の人とでは求めるべき音の方向性が違っていた。

(1)であれば、それを見抜けなかった自分が悪いのです。
(4)であれば、そう言う基本的なことを考慮しなかった自分がやはり悪いのです。
(2)であれば力を磨くしかないし、(3)であれば、まさに上で述べた「可能性」を見極める眼力が欠如していたのです。

ただし、(2)か(3)かの区別は難しくて、自分では(3)と思っていても突き詰めてみれば(2)であったりもします。。
38㎝ウーファーを搭載した大型スピーカーを6畳スペースの部屋に導入しても、鳴らす人は鳴らします。それがオーディオというものです。

率直に言って、最近であれば怪しげなガレージメーカーの製品でもない限り、それを買い込んで「格闘」すればある程度のレベルにまでは必ず持って行けるはずです。
おそらくマランツのモデルを買い込んでも、ヤマハのモデルを買い込んでも、それとしっかり格闘すればそれなりのレベルにまでは必ず持って行けるはずです。

問題は、現状のMPDを核としたシステムと比較して、その差がどの程度あるのかという見極めと、その差を埋めるために求められる投資額に納得がいくかどうかです。
Fujiさんの例で言えば、おそらく実際に買い込んで徹底的にチューニングすれば試聴室で鳴っていた音とは別次元の音で鳴るはずです。問題は、その可能性にかけてチャレンジしたいと思えるだけの価値に「34万円」が払えるかどうかです。

さらに言えば、手のかかる「Voyage MPD」システムの「手間」を「趣味性」とみられるか「面倒」と感じるかという感性の問題もそこに付加されます。これまたFujiさんの例で言えば、そう言う「趣味性」を犠牲にしてでも手に入れたいと思える可能性を感じ取れたか否かです。

結局、オーディオというのは骨董の世界と似ています。
そのあたりのことは以前に「オーディオ骨董論」として一文を認めたことがあります。

なんだか、分かったような分からないような禅問答みたいな話ですが、それもまたオーディオというものの本質の一面なんだと思います。

枯れた技術と枯れていない技術

と言うことで、ここで終わっても良かったのですが、現在のネットワークプレーヤーの状況について、私なりの基本的な考えも述べておかないと拙いだろうと思いましたので、最後に少しばかり補足させていただきます。

まずは、Audio Accessoryの最新号において評論家の山内氏はMarantz NA-11S1のことを「今後10年単位で通用するほどの明確に未来を見据えたコンセプトを提示する」と述べています。

非常にデリケートな言い回しでして、ぼんやり読んでしまうと、まるで「NA-11S1」が今後10年単位で不満なく使えるモデルであると太鼓判を押しているように読めます。しかし、ドッグイヤーとも言うべきこの分野において、今後10年単位で不満を感じずに使えるような製品など存在するはずはありません。
上記の一文を厳密に読んでみると、彼が10年単位で使えると保障しているのは製品としての「 NA-11S1」ではなくて、「 NA-11S1」が提案するコンセプトであることに気づきます。
しかしながら、それでもなお、私はこの一文には賛同しかねます。

この数年にわたってPCオーディオに取り組んできた身としては、PCオーディオ(ネットワークオーディオと言い換えも同じ事ですが)の世界はドッグイヤーという言葉でさえも表現しきれないほどの変化の早さの中に身をおいることを痛いほどに実感してきました。
そんな経験からすれば、どのように先進的で斬新な提案であったとしても、それを「今後10年単位で通用するほどの明確に未来を見据えたコンセプト」などと言い切るだけの度胸は私にはありません。

例えば、WindowsPCにおける「cMP2」が登場したときは画期的と思いましたが、1年もたたないうちに「MPD」に取って代わられました。今は盤石に見える「MPD」の提案も、その優位性がいつまで続くのか全く先は読めません。最新のコンセプトと思われたものが、ヘタをすれば半年後には陳腐化してしまうのがPCオーディオの世界です。

技術の世界には「枯れる」という表現がよく使われます。
一般的に「枯れる」というのはあまり良くないイメージなのですが、技術の世界では出るべき手段はほぼ全て出尽くして、基本的に大きな変化は起こらない分野のことを「枯れる」と言います。オーディオで言えばスピーカーやアンプは間違いなく技術的には枯れてしまっています。そしておそらくは「16bit 44.1Khz」というCD規格に対応したDAC部分についても枯れてきているように思います。
それに対して、PCオーディオの世界は枯れるどころか、今やっと芽吹き始めたばかりの段階です。
これから先、どちらに枝が伸びていくのかさえ定かではありませんから、枯れるどころの話ではありません。

そして、私の場合は基本的には「枯れた」技術で出来上がっている部分には投資はしても、枯れていない部分については様子を見るというスタンスをとっています。

枯れた分野の製品であれば、おそらく10年単位で使っていける製品だと言われても十分に納得がいきます。
例えばスピーカー一本に100万円を投資しても不満なく四半世紀は使えます。四半世紀も使えれば単年度投資額は4万円です。一日に換算すればわずか100円ちょっとです。
これを高いと見るかどうかは最終的にはそれぞれの判断ですが、30年以上頑張って働いてきた己の人生を前提にしてみれば、個人的には「有り」だと思っています。

ところが、ネットワークオーディオプレーヤーとなると、果たしてこれから先、どれだけ不満なく使っていけるかのか、確信を持って言い切れる人はいないでしょう。
今はフラグシップモデルである「NA-11S1」であっても、それが一年後には全く色褪せて見えてしまう可能性は否定しきれないのです。そうなると、34万円のネットワークオーディオプレーヤーは1本100万円のスピーカーと比べると、本質的には途轍もなく高い買い物だと言うことになります。
もちろん、そう言うリスクも顧みずに挑戦を繰り返すチャレンジャーがいるからこそそう言う製品も発売されるのでしょうが、本質的に貧乏性の私などはとてもではないですがそのような勇気とチャレンジ精神を持つことはできません。
となると、そう言う枯れていない分野では、可能な範囲で自作オーディオ的に可能性を突き詰めて、最終的に枯れた段階で納得のいく製品を購入すると言うことになります。
これが現時点での私の基本的なスタンスです。

オーディオメーカーにとっては全く持ってお金にならないユーザーなのですが、それでも近いうちにアンプとスピーカーは「一生もの」に買い換えようとは思っていますので、それを持ってご容赦願えればと思います。


23 comments for “枯れた技術と枯れていない技術

  1. 2013年4月1日 at 2:15 PM

    ・yung様

    私がFuji様にお勧めした結果、お手間を取らせてしまい、すみません。

    >枯れていない部分については様子を見るというスタンス
    尤もです。
    USB-DDCがあるように、LAN-DDCももっとあっていいと思います。

    ・Fuji様

    yung様の仰ることは尤もだと思いますが、今回の場合、それ以前の問題ではないでしょうか。
    比較対象となるVineMPDを、そのお店に持ち込んで聴かれましたか? 聴いてないなら、トラポよりDAC以降のほうが、音にははるかに支配的だと思いますので、それで判断してしまうのは早いと思います。量販店では難しいと思いますが・・。

    MPDについて
    MPDで音が良くなるとお思いのようですが、そうではないと思います。MPDは便利ですが、従来との音質の違いはVineLinuxに依るところが大きいのじゃないかと思います。なんなら、MPDを使わずにローカルファイルを再生してみて下さい。
    私はVineでやったことはないですが、voyageMPDでMPDを使わず、aplayやaplayexで、MPD同様に、ビット・エクザクトな再生をしたほうが良かったです。

    尤も、私は(ここにいらっしゃる大半の方と違って?)ファイル再生よりCD再生の音を好みますので、yung様が挙げられた 4. だったら御免なさいです(笑)。

  2. 2013年4月1日 at 2:33 PM

    yung様

    書洩らしていました。

    >枯れていない部分については様子を見るというスタンス
    尤もです。
    けど、それはネットワーク・プレーヤーだけじゃなく、USB-DACでも同様の問題だと思います。

  3. Fuji
    2013年4月1日 at 7:07 PM

    ユングさん、ご回答戴きありがとうございます、若干説明させて戴きます。

    >家電量販店のリスニングルームでの試聴では、きっと実力の半分も出ていなかっただろうな・・・。」

    私も全く同感です。従いまして視聴するに当たり係りの方(リスニングルームで今回対応して戴いた田中さん(仮名)と言う方は、DENONから派遣されたとご本人(50代位?)がおっしゃてましが、オーディオに付いてかなり詳しい方と私は見ました。)より、まずルームの天井が低いしスペースもそれ程広くない、オーディオ機器を駆動するAC電源の質も良くない、隙間無くスピ-カーを並べている、隣の売り場からの騒音、等々説明して戴き、この様な状態でお客様に視聴して戴くのは申し訳ありませんが、これらの理由により、おそらくこここにあるオーディオ機器は実力は充分出てない事を念頭において視聴して下さい、ただそれでも実力の一端は出せるのではと思いますので、と前置きした後視聴に入ったのですが結果は前回投稿した内容の通りです。視聴後、田中さんが感想は如何ですかと聞かれましたので、私は期待した音とは違いますし、正直私がいつも聴いている音とも違いますと伝え、田中さんはそうですか、このルームの条件がいくら悪いと言ってもそのオーディオ機器が持っている雰囲気、音の傾向、ニュアンスは多少は出ていると述べられ、さらに今視聴した機器を条件の整ったルームで視聴した場合でも、劇的に全く次元の違う音に変身する訳ではないと述べておりました。

    >「SA-11S3」に搭載されてるものとほぼ同等のクオリティを持っています。まるっきり同じものではないようですが、ほぼ同等品と思って差し支えないようです。マランツの方が聞けばきっと異議を申し立てたくなるでしょうね。

    そうなんです、私もずいぶん大胆な人だな思いました・・・・私自身はSA-11S3の内臓DACの品質については良く知らなかったのですが、田中さんが内臓DACの品質はあまり良くないのでこちらのDACで聴いて見ましょう、ただ単体のDACは用意してないのでCDプレーヤー(DENON社製DCD-SXのDACを使用、参考までにアンプは同じくPMA-SX、スピーカーはまず私所有と同型機、他に国産、海外製と色々聞き比べて見ました。)のDAC経由になりますが聴いて見て下さいと言われ、聴いて見た所、あ、こちらの方がずいぶん音が良くなりますねと私が言うと、田中さんはSA-11S3はこの売値からしてあまりDACにあまりお金はかけられない(その他にも色々な機能が搭載されている)ので仕方が無いのではと述べておられましたので。これは決して私の意見ではありませんしマランツさんにも何の恨みもありませんので。ただDACを変えただけで音質はかなり向上したと言う事実は私の耳が覚えています。又田中さんがネットワークプレーヤーは総じてCDに比べてどうしても音が薄くなる、音楽を主張しない、おとなしくなると言う様な表現をされておりCD再生の方がこの様な点は改善されますよ、良ければあなたが持参されたCD(WAVEデータと同じ物)で聴いて見て下さいと言う事(DCD-SX)で聴きましたが、やはりネットワークプレーヤーより総じて音が前に出てくる、中音域が豊かになる(私の勝手な表現ですが)のかなと思います。

    >自室のリスニング環境に持ち込んだときにどのレベルにまで引き上げられるかのかという「可能性」を見極める眼力です。

    ユングさん、私も全くその通りだと思います。ただ私には”見極める眼力は無いかなー、と思います。ただですね、あの音を聞かされると購入する勇気は出ないです。かといって都内の静かに聴けるリスニングルームの整ったオーディオショップに出向いて視聴させて下さいと店内に入る勇気も無いですし、以前ユングさんが仰っていた”一見さんお断り”見たいな雰囲気がありありと出ている様ですし、揃えている機器は高級機多く30万円位の機器の視聴を頼んでいいのかな見たいな雰囲気を感じるのは私の偏見でしょうか。

    それから、一つお聞きしたい事が有ります。私はvoyage mpdの音はしりません、しかしユングさんはvoyage mpd とvine mpdの音をご存知でいらっしゃいます。当時vine mpdを構築された時の音とvoyage mpdを比較されて如何でしょうか。私は先に述べました様に、vine6.1で構築しており、徹底的に軽量化(自分なりに)した物で聴いております。もうあのcMP2やフリーブオーディオの音は聞く気になれませんし、又、ユングさんさんの記事で“「VortexBox」を試してみました。2012年6月24日”を参考にVortexBoxも構築し聴いて見ましたが、確かに音質は良いし構築も簡単と思いますが、私には独特の音で若干ドンシャリと言いますか、高音域に独特の癖がある様に感じ、インターネットラジオを聴く程度でしたら良いと思いますがmpdの代わりにはならないと判断し止めました。この当たりのご見解をお聞かせ願えればありがたいのですが。

    尚、いつものことと思いますが、音質の評価は私の独断と偏見で書いておりますので音質に関するご質問はご容赦ください、宜しくお願い致します。

  4. 2013年4月1日 at 9:27 PM

    >当時vine mpdを構築された時の音とvoyage mpdを比較されて如何でしょうか。

    音楽を再生する部分と、そのために必要なあれこれの重い動作が必要な部分をセパレートしましょうというのが「MPD」という再生ソフトの思想です。
    http://www.yung.jp/bony/?page_id=1180

    この思想を最も徹底化したのが『音楽を再生するための「MPD」は極限までスリム化した「Voyage」という「OS」で動作させ、それに命令を出すための重い操作は別のPCにインストールしたクライアントに全て任せてしまう』という「voyage mpd」でした。そして、さらには「Voyage」自体も「alix」という産業用の一枚基盤の上で動作させた方がいいだろうというのが現時点の到達点であり、さらには「alix」にかわって最近は「CuBox」に注目が集まっているという状況です。

    こういう背景には、音楽再生にたずさわるPCのハード構成はシンプルであればあるほど「音がよい」というのが、取りあえずの共通認識となったからです。
    ですから、使い古しのPCにVineをインストールして、そこでMPDを走らせて再生した音と、「alix」や「CuBox」にMPDを組み込んで再生した音ではかなり違いがあると言わざるを得ません。その違いがあまりにも明らかなので、何の躊躇いもなく私は「Voyage MPD」に移行できたわけです。

    今のPCオーディオで高音質化するための共通理解は以下の2点です。

    1.セパレートする。(MPD)
    2.再生にたずさわる部分は徹底的に軽量化する。(alix or CuBox)

    シンさんヴァージョンの「Voyage MPD」はこの思想の究極形の一つです。
    http://www.yung.jp/bony/?p=2138
    「CuBox」を使うならみみず工房さんのイメージファイルがそれにあたります。
    http://www.symphonic-net.com/kubotayo/articles/articles014.html#022

    「alix」か「CuBox」かはチョイスが難しいところです。この違いは基本的に(4)に関わる問題かもしれません。(繊細な「alix」、パワフルな「CuBox」・・・みたいな感じでしょうか)

  5. Fuji
    2013年4月2日 at 10:14 AM

    ユングさん、
    >使い古しのPCにVineをインストールして、そこでMPDを走らせて再生した音と、「alix」や「CuBox」にMPDを組み込んで再生した音ではかなり違いがあると言わざるを得ません。その違いがあまりにも明らかなので、何の躊躇いもなく私は「Voyage MPD」に移行できたわけです。

    ユングさん、再生した音ではかなり違いがあるとのご回答戴きありがとうございます。私も出来ればvoyageでmpdを構築したかったのですが、なにせ、あのCUIとコマンド入力は苦手でして、特にviコマンドは未だに使う気になれません。その様な訳で私の場合vine mpdでやっとの思いで音出しが出来ましたのでvine mpdで行こうと決めたわけです。それでもvine5.0 mpdの音はwindowsの音より明らかに良いと感じましたので。そこでvine mpdで行こうと決めたからには、ユングさんが以前windowsで行ったOSの軽量化対策をvineで実施し、どこまで音質の改善が図れるかやって見ようと思った次第です。OSをインストール時点では、これ以上削るとmpdが起動しないと言うまで不必要な物は徹底的に排除し、mpdインストール後は、これ以上削除するとOSが立ち上がらなくなるぎりぎりまで、出来る限りmpd再生に不必要と思われるフォルダー(Linuxでの呼び名はディレクトリーでしたっけ。)、ファイル、実行ファイル等を片っ端から削除して行き、インストール直後と比べかなり音質が向上したと思っております。voyageでしたらこんな苦労する必要は無いのでしょうけれど、出来ない者にとってはこれしかありませんでした。これらのお陰で自分ではかなり音質が良くなったと思っておりましたが、その後vine6.1がリリースされましたのでこちらに乗り換え徹底的に軽量化し、現在に至っております。vine6.1の良い所はKernel が 3.0.38(vine5.0はKernel-2.6だったかな。)になりましたので、USBコントローラーチップにTE8802LやXMOSが使える様になりUSBDAC、DDCの選択肢が相当広くなりましたので、私も最近ラステームのRUDD14を導入しましたが、結構良い音で鳴ってくれております。この様に今までにvine mpdはかなり手を加えており私がvine5.0 mpdで始めて音出しが成功した当時に比べかなり音質が改善されていると思いますし、元々、vine6.1は素の音そのものもvine5.0より一段良いと感じておりますのでその相乗効果もあり、vine6.1で構築したmpdの音は、まさかPCオーディオでここまで音が良くなるとは思わなかった、と言うのが今の私の心境です。本当にユングさんには感謝感謝です。

    juubeeさん
    >比較対象となるVineMPDを、そのお店に持ち込んで聴かれましたか? 聴いてないなら、トラポよりDAC以降のほうが、音にははるかに支配的だと思いますので、それで判断してしまうのは早いと思います。量販店では難しいと思いますが・・。

    いつもアドバイス戴きありがとうございます。実は田中さん(仮名)にvine mpdを持ち込み、これらのネットワーク・トラポとの比較をお願いしたのですが、それだけは勘弁してくれと言われましたので(他のお客様に迷惑がかかると言うのが理由の様です。)断念せざるを得ませんでした。又、ネットワーク・トラポとvine mpdの比較では、先の投稿で、”(かといって都内の静かに聴けるリスニングルームの整ったオーディオショップに出向いて視聴させて下さいと店内に入る勇気も無いですし、)”と述べております通り、これ以上続けるつもりはありませんし、やはり先の投稿で”(あの音を聞かされると現時点では購入する勇気は出ないです。)”、と申し上げた通りで、これが私の結論です。
    もし宜しければLinuxにお詳しいjuubeeさんですからご自身でvine mpdを構築され“(ユングさんの”「Vine MPD」を構築する“等を参考に出来ますし。)”、ご自身で比較されればこれ程確かな事は無いと思いますし、vine mpdの音がどの程度の物かも確認出来ると思いますので、如何でしょうか。

    尚、いつものことと思いますが、音質の評価は私の独断と偏見で書いておりますので音質に関するご質問はご容赦ください、宜しくお願い致します。

  6. 2013年4月2日 at 12:56 PM

    Fuji様

    そうでしたか。ならひとまず安心です。
    と言うのも、高額な機器を試聴されるわりにアプローチが曖昧なように思われ、Fuji様のオーディオライフを心配しておりました(笑)。

    私もyung様が仰るように、再生にたずさわる部分は徹底的に軽量化する、方針に同感です。これについてはハード的にもソフト的にもそれなりにやってきました。私のメインはPCオーディオではなくCDのコピーですが、PCでいくらやっても、デュプリケーターというCDコピー専用機には敵わない、ことがわかった時の衝撃は大きかったです。

    voyageMPDもそのままで古くは初代Pentiumまでの環境で動作しますから、ハード環境の違いが音質に及ぼす影響の検証がとてもしやすくなっています。

    私の脳内理論上では、専用に設計できるオーディオ機器のほうが有利だと思いますが、懐具合の都合上10万円以上の機種は聴いたことがありませんし、実際の選定となれば、既にUSB-DACをお持ちの方にネットワークプレーヤーは重複投資ですし、ネットワークトラポは法外な価格の機種が僅かにあるだけですから、難しいものがありますね。

    確か以前、PCオーディオ評論家の御田さんがRATOCにハード込みのvoyageMPD販売を希望したことがあったと伺っていますが、実際に企業として販売するには障壁が多かったようです。voyageMPDもそんなに難しいものではないと思うのですが、一般向けに、RATOCかRASTEMEあたりから5万円ほどのネットワークトラポが出てほしいと思っています(I2Sや外部クロックなどもできれば・・ 笑)。

  7. Fuji
    2013年4月2日 at 1:38 PM

    juubeeさん
    >高額な機器を試聴されるわりにアプローチが曖昧なように思われ、Fuji様のオーディオライフを心配しておりました

    ご指摘ありがとうございます。私もその通りだと思います、これ以上アプローチする術がありませんので。ですからjuubeeさんに手本を見せて戴きたく、先の投稿で、

    ”(もし宜しければLinuxにお詳しいjuubeeさんですからご自身でvine mpdを構築され“(ユングさんの”「Vine MPD」を構築する“等を参考に出来ますし。)”、ご自身で比較されればこれ程確かな事は無いと思いますし、vine mpdの音がどの程度の物かも確認出来ると思いますので、如何でしょうか。)”

    出来ればそのアプローチ過程を示して戴き参考にしたいと思っておりますが、如何でしょうか。

  8. 2013年4月2日 at 4:09 PM

    Fuji様

    こういうところへの書き方は難しいですが、もしかしてお気に触ったのならすみませんでした。

    普通のインストールではvoyageより重くなるのは確実なので、Linuxをやっと触っている程度の私としては、VineMPDは、たぶんやらないと思います。ちなみに、CD焼きにはVine1.1を使っていますよ。

  9. 2013年4月2日 at 6:13 PM

    Fuji様

    真意は、
    家電量販店で判断してそんな高価な機器を購入するのかと思ったら、慎重だったので安心した、の意です。MPDのことではありませんので・・ 。下手に短縮して誤解を招いてしまいました (^^;;;;

  10. Fuji
    2013年4月2日 at 6:19 PM

    juubeeさん
    >こういうところへの書き方は難しいですが、もしかしてお気に触ったのならすみませんでした。普通のインストールではvoyageより重くなるのは確実なので、Linuxをやっと触っている程度の私としては、VineMPDは、たぶんやらないと思います。

    とんでもありません、そんな気に触ったなどと言う事は全くありません。又、私の方こそ、いつも申し上げている通り正真正銘のLinux音痴です。それが証拠に先の投稿でも述べさせて戴いた通りCUI、コマンド入力、viコマンドは全く手に負えません。従ってvoyage mpdでは未だに音を出すことは出来ません。では何故vine mpdが構築出来たかと申せば、それはユングさんが苦労されて残してくれたvine mpd構築の記事でした(ユングさんに感謝)、vine LinuxはGUIを持っていますのでwindows感覚で操作が可能だったと言う事に尽きます。先に述べた通り、時間もかかりましたがかなりの軽量化も出来ているのでは、と思っております。ただ、音質に関してはvoyage mpdの音を知らない私には比較のしようがありませんが、自分で勝手に評価させて戴ければ、先に申しました様に、まさかPCオーディオでここまで音が良くなるとは思わなかった(甘いかな、)、と思っております。
    いずれにしましてもjuubeeさん、色々とご指導戴き本当にありがとうございました、これに懲りず今後とも宜しくお願い申し上げます。

  11. 2013年4月3日 at 8:38 AM

    Fuji様

    あれっ??
    私のまったくの勘違いでしたか。それならよかったです (^^;;;;;;;;;;;
    私もまだまだですが、お互い楽しくやっていきましょう。今後とも宜しくお願いします (^^)/~~

  12. old boy
    2013年4月3日 at 10:03 AM

    年のせいか、いろいろやってもその時は良くなったと思っても、すぐに慣れてしまって、WindowsでもLinuxでもいい音が聞こえてきます。
    久しぶりに20年前のカセットデッキ(枯れた技術の代表?)のSWを入れて、録り貯めた「バロック音楽のたのしみ」とか聞いてみると意外と柔らかでいい音がします。
    結局ある程度レベル以上のオーディオシステムがあれば、入口はなんでも(CDプレーヤーの除く)いいなと思っています。
    いずれにしろ、PC+DACはCDプレーヤーに代わってCDの音を聞く気にさせてくれたことは間違いありません。

  13. Fuji
    2013年4月3日 at 4:55 PM

    old boyさん
    >久しぶりに20年前のカセットデッキ(枯れた技術の代表?)のSWを入れて、録り貯めた「バロック音楽のたのしみ」とか聞いてみると意外と柔らかでいい音がします

    全くその通りだと思います。私も”(お前もう少しおおらかな気持ちで音楽を楽しめよ)”と自分の心に言い聞かしてはいるのですが。私の場合何故PCオーディオなのかと申しますと、始めた頃は省スペースで操作性が良く、それなりの対策をすればそこそこ音楽を聴くには充分かなと思ったのがきっかけです。その後ユングさんのHPを見つけたのがきっかけで、ユングさんの繰り出す魅力に溢れた記事に取り付かれ、やるからには出来るだけ良い音で、との気持ちで今日に至っております、ただvoyage mpdではずっこけてしまいましたが。それかから本当はアナログレコードも聴いて見たいと思っているのですが、しかもイケダのIKEDA 9 MUSA-Uで、出るのはため息ばかり、どんな音がするんですかね、夢のまた夢ですが。

  14. old boy
    2013年4月3日 at 7:09 PM

    所詮オーディオファンというのは、それぞれのレベルでいろいろやって音が良くなったはずだと自己満足することだと思います。今まで50年あまり、次々といろいろな技術が現れては消えていく中で、結局オーディオだけはそれほど大きく変化してないように思いますが、単純なだけに自動車などと違って個人でいろいろ細工できるのは趣味として楽しい世界です。
    それにしても、IKEDA 9 MUSA-Uをめざすレベルの人もいれば、~5万円程度のDAC,
    カートリッジを使用する私のようなレベルと、本当に様々ですね。
    なお、今日始めてPuttyでVortexBoxにアクセスでき、いよいよLinuxの世界に入り、Voyage mpdをめざすことにしました。

  15. Fuji
    2013年4月4日 at 6:39 AM

    >今日始めてPuttyでVortexBoxにアクセスでき、いよいよLinuxの世界に入り、Voyage mpdをめざすことにしました。

    VortexBoxにアクセスの件、大変おめでとうございます。又、”Voyage mpdをめざす”との事、old boyさんでしたら私と違って、簡単に構築されると思いますので是非voyage mpdの音を楽しんで下さい。

  16. old boy
    2013年4月4日 at 9:26 AM

    PuttyでのSSH接続を早速試してみました。
    3台インストールしたVortexBox機のうちの1台(HDD容量10GB)でyungさんの説明に従ってNASを認識させようと試みたら、内蔵HDDのファイルも認識できなくなってしまいました。
    やはり生半可な物まねではダメなことを認識しました。
    -低レベルオーディオファンより-

  17. Fuji
    2013年4月4日 at 3:57 PM

    >NASを認識させようと試みたら、内蔵HDDのファイルも認識できなくなってしまいました。

    old boyさん、
    私のvine mpdもいまだにNASを認識させる事がどうしても出来ません、私としては様々なアプローチを試みたのですがあえなく撃沈、結局Lnux音痴の私では全く手に負えませんでした。この様な時にLinuxに付いて相談できる方が居れば良いのですが、vine mpdを構築されている方でLinuxに詳しい方となると探すのは極めて困難状況です。従いまして現在はやむおえずUSB-HDDで聴いております。しかしold boyさんの場合は、VortexBoxですから相談できる方を見つける事は容易と思われますし、voyage mpdであれば構築方法は既にユングさんが公開されておられますから、これを参考にされれば間違いなく構築できると思います。

    • old boy
      2013年4月5日 at 7:20 AM

      Fujiさん、いろいろありがとうございます。
      私の場合、いつもトライ&エラーで、思いついたらすぐやってみるので、
      一発で成功する確率は非常に低いのです(化学屋の習性です)。
      まためげないでやってみます。

  18. Fuji
    2013年4月5日 at 1:02 PM

    old boyさん頑張って下さい、応援しております。

  19. n'Guin
    2013年4月8日 at 1:38 PM

    yung 様

    ご意見、ごもっともです。 
    実を言うと、NA-11S1 を購入しようか迷っていたころに、この記事を見ました。

    現在、私のところは、ノイズ対策の改造をした CuBox がプレーヤーです。 CuBOXを購入した当初は細かな音が出ないので、Alix(Voyage MPD Starter Kit, シンさんバージョン)の地位を脅かすには至りませんでした。 しかしながら、丁寧にノイズ対策をしたら、CuBox が、どんどん細かな音を出せるようになり、現在では、Alix を超えました。
    現在は、Alix をさらに良くするお遊びをしています。

    このようなところで、NA-11S1 を視聴しました。
    ちまたでいわれているように、他のネットワークプレーヤーと比較すると、断然の良さがあると思います。 もちろん、LINNと比較できるスタート台にたったと言えるかもしれません。 私自身はLINNの音がきらいなので、買うなら NA-11S1 です。

    しかしながら、改造した CuBox + RUDD14(Rasteme) + sd2.0b(Soulnote) に比べて、NA-11S1が明らかに優位かといわれると、それははっきり違います。
    NA-11S1を自宅に持ち込めば、さらに使いこなしで良くできるのかもしれませんが、改造できるポイントは大変限られます。 自己責任で、CuBox を改造して壊しても、まだあきらめがつきますが、30万円の装置では、なかなか。

    はっきりいって、自室のリスニング環境に持ち込んだときにどのレベルにまで引き上げられるかのかという「可能性」を見いだせなかったというところです。

    良いタイミングで、この記事を読めたことに感謝しています。

  20. 野村です
    2013年4月17日 at 12:57 PM

    諸先輩方のお知恵を乞うためスレさせていただきました。
    悪戦苦闘の末、やっとのことでVoyage mpdをHP t5720で再生出来るようになり、音質向上のためRATOC RAL-24192UT1をDDCとして使うため接続したのですが、再生するとエラーが出て音が止まってしまうのです。
    RATOC RAL-24192UT1は認識されていますが、またVortexBoxでは問題なく作動します。
    このような場合どの様に調整すれば良いのでしょうか?
    よろしくご教授お願いします 。

  21. 2013年4月17日 at 8:51 PM

    >音質向上のためRATOC RAL-24192UT1をDDCとして使うため接続したのですが、再生するとエラーが出て音が止まってしまうのです。

    DDCとPCの間には微妙な相性問題がありますので、この手の質問に的確に答えることができるのはメーカーのRATOCだけかと思います。

    ただ、一般論としていえば、
    1.何らかの理由でlatencyが非常に大きくなっている。
    2.DDCが特殊な仕様になっている。
    あたりでしょうか。

    (1)に関していえば、latency(処理待ち時間)が大きくなると最初は音切れ、そして酷くなるとエラーが発生します。どこでlatencyが発生しているかは「latencytop」というソフトで確認することができます。
    使い方は「みみず工房」さんの方で詳しく紹介されています。
    http://www.symphonic-net.com/kubotayo/articles/articles014.html#001

    これで、稼働中のプロセスの中のどこかで大きなatencyが発生してい事が分かれば、そこをスリープさせればうまくいくかもしれません。ただし、可能性は非常に低いと思われます。

    (2)に関していえばいろいろあります。一例としてあげると、(今はどうなっているのかは分かりませんが・・・)フォステックスのDACがあげられます。

    こいつは、内部的に勝手にアップコンバート(44.1KHz→96KHz)するようにPCに指令を出すというとんでもない仕様で、再生しているとどんどんCPUの負荷が高まって、最後にはエラーになって再生がストップするという素敵なDACでした。

    「Voyege mpd starter kit」のCPU負荷

    なんとも困った話ですが、そう言う変わったDDCやDACがあることは事実です。
    しかしながら、RATOCのDDCがどうなっているのかは使ったこともない一般の者には見当がつきかねます。

    ですから、基本的にはメーカーのサポートに連絡するのが手っ取り早いと思います。
    RATOCはPCオーディオには力を入れているメーカーという旗印をかかげていますから、よもや「Linux系の再生ステムはサポート外」とは言われないとは思いますが、もしも、そんなことを言われれば旗印に偽りありの、そこまでのレベルのメーカーだと思うしかありません。
    買ったDDCは「勉強代」と思うしかありません。

  22. 野村です
    2013年4月18日 at 8:52 AM

    Yung様 アドバイス有り難うございます。

    PCとの相性って有りますね。
    メーカーに問い合わせてみます。メーカーがどの様に考えているか、その結果については、またスレさせていただきます。
    お手間を取らせてすみませんでした。

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