CuBoxの導入に関しては「CuBoxの導入と痛い顛末(^^;」で、お恥ずかしい話も含めて紹介しました。
その時は、それなりの可能性は感じられたものの、それを確認する間もなく「壊して」しまいました。
壊れてしまった原因は「電源」です。
ただし、恥をさらすというのはいいこともあるようで、コメント欄には「私も壊しました」とか「友人も壊してしまったようです」という情報がたくさん寄せられました。おかげで、CuBoxに関しては、よほどの自信がない限り電源は弄らない方がよいことが分かりました。ある方は、CuBox用の5ボルト電源には黄色のテープを巻いて絶対に間違えないようにしているそうです。
ただし、個人的にはこの「脆弱性」がどうにも気に入らないので再チャレンジには二の足を踏んでいました。
また、「Voyage MPD」+「hiFace Evo」の現用システムが充分なクオリティを発揮していることも「CuBox」への興味を起こさせない原因になっていました。
DDC単体としても「hiFace Evo」の実力はぬきんでているのですが、これに専用電源とクロックジェネレーターを追加したシステムのクオリティは素晴らしいものがあります。ですから、「CuBox」を導入しても「hiFace Evo」が使えないと意味がないと言わざるを得ませんでした。
おそらく、一汗、二汗かけば「hiFace Evo」のドライバを「CuBox」に組み込むことは可能だとは思ったのですが、年度末の忙しい時期にそう言う一汗をかくのは躊躇われる状況でした。
そんな時に、みみず工房さんで、「hiFace Evo」のドライバである「snd-usb-asyncaudio」の組み込み方が紹介されました。記事に目を通すと、「なんだ、そう言うことだったのか!」と言うほど簡単に組み込めることが分かりました。おまけに、「CuBox」用にビルドしたドライバも公開してくれています。
これなら、新たに「CuBox」を導入しても簡単に「hiFace Evo」を使えるようにできそうです。
以前の短時間の比較は、「Voyage MPD」+「hiFace Evo」と「CuBox」+「UDIF7」という不公平なものでした。特に、「CuBox」と「UDIF7」は相性があまりよろしくないようで、時々プチプチノイズがまじる状態でした。
そう言う不公平な状態でも「CuBox」はかなりの可能性を感じさせる音を聞かせてくれていたのですから、「CuBox」+「hiFace Evo」と言う組み合わせの音は確かめざるを得ません。
まずは結論から
前に注文したときには忘れた頃に現物が届いたのですが、今回は2週間程度で手元に届きました。年度末の忙しさに巻き込まれて一ヶ月ほどはオーディオどころではなかったのですが、その忙しい時期の間にみみず工房さんの方では「hiFace Evo」用のドライバである「snd-usb-asyncaudio」を組み込んだイメージファイルを配布してくれていました。
一部では少しばかり誤解があるようなのですが(^^;、私は音楽を聴くのが好きなのであって、消してパソコンを弄るのが好きなのではありません。少しでもいい音で音楽を聴くための手段としてパソコンを弄る必要があるときにやむなく弄るのであって、弄る必要がなければそんな無駄な作業はしたくありません。
ですから、今回はみみず工房さんのイメージファイルを有り難く使わせていただきました。
使用したのは、おそらく最新版の「雛祭り版(cubox-audio130303.img.7z)」です。
この最新版を有り難くダウンロードさせていただき、必要な設定を行って音出しをしてみました。
まずは、一番大切な「hiFace Evo」の認識です。確認します。
root@cubox:~# aplay -l
**** ハードウェアデバイス PLAYBACK のリスト ****
カード 0: SPDIF [Kirkwood SPDIF], デバイス 0: IEC958 Playback dit-hifi-0 []
サブデバイス: 1/1
サブデバイス #0: subdevice #0
カード 1: hiFace [hiFace], デバイス 0: hiFace [AsyncAudio USB]
サブデバイス: 1/1
サブデバイス #0: subdevice #0
何もしていません。(^^;
しかし、完璧です!!
みみず工房さんありがとう!!
では、音出しです。
・・・・・・・( ̄◇ ̄)
圧倒的です!
素晴らしいです!!
文句なしです!!!
以前は、次のような持って回った言い方をしました。
「確かに、「Voyage MPD Starter Kit」とは音の出方が随分と違います。しかし、こう言うときに注意しないといけないのは、「変化=改善」では必ずしもないと言うことです。」
「オーディオというのはどこかを弄れば必ず「変化」します。そして、その変化を喜んで安易に「改善、改良」だと勘違いしてしまうととんでもない泥沼に落ち込んでしまいます。」
「ネットワークオーディオの核となるべきトランスポートを「Voyage MPD Starter Kit」から「CuBox」に変更したのですから、「変化」しない方がおかしいのであって、重要なことはその変化をどのように判断するかです。」
そして、取りあえずの結論として次のようにまとめておきました。
「私の判断なのですが、「CuBox」の一番の特徴は「力感が増して押し出しが強くなる」ということでしょうか。ですから、曲によってはもう少し繊細に表現してくれた方がいいかな・・・と思う場面もあります。ですから、単純に「Voyage MPD Starter Kit」<「CuBox」等とは断言できません。」
しかしながら、今回は最初の一音が出た瞬間から「Voyage MPD」+「hiFace Evo」とは全く世界が異なることが分かりました。長年にわたって「Voyage MPD Starter Kit」を使い続けてきた身にとってはいささか悔しいという思いもあるのですが、この圧倒的な差を見せつけられると主役の交代にいささかの迷いもありませんでした。
- 静けさのレベルが全く違う。ヴァイオリンの弱音がこれほどきれいに消え去っていくのを聞いたのは初めてでした。
- 抜群の解像度。これは上で述べたS/N比の高さが貢献している。
- 3次元的な音場表現が素晴らしい。定位がビシッと決まり、とりわけ前後の表現が今までにない世界を演出してくれる。クロックジェネレーターを導入した有難味をはっきりと確認できた。
- 低域の腰がすわって力感が増すけれども、高域の伸びやかさと繊細さは失われない。
ざっとこんな感じでしょうか。
さらに言えば、「CuBox」と「hiFace Evo」の相性は非常にいいようで、今のところはプチプチノイズがのるというようなことは一切起こっていません。
一瞬にしてメインシステムの主役が交代しました。
まさに、PCオーディオの世界はドッグイヤーです。
と言うことで、次回はこれを読まれて「CuBox」に興味を持たれた方のために導入方法を紹介したいと思います。
WindowsならまだしもLinuxはどうにも敷居が高い・・・と思っておられる方にもクリアできるようにわかりやすく紹介したいと思いますのでご期待ください。
お久しぶりです。
CuBox好印象のようで良かったですね。
みみず工房さんの掲示板で色々議論されているカーネル3.8.4とArch Linuxの組み合わせで更にお好みの音になるのではないでしょうか。
こんにちは、yungさんもCuBox再始動ですね。
おめでとうございます。
私もCuBox+hiface Evoで音だしをしていますが、私の環境(Hiface Evo+DAC:
PhaseTech HD-7AやHiface Evo+DAC:Musical Fidelity TRI-VISTA21)では
息つき(楽曲の90%程度が経過した時、音が0.5秒ほど途切れる)症状に悩まされています。
操作がiアプリのMPoD(無線LAN)の場合は顕著に表れ、Theremin(Mac OSのGMPC
みたいなものです)でも全く出ずではなく、発生頻度は1/10程度になりますが、一度
発生すると引き続き発生するのです。
どうも無線・有線LANの環境そのものが悪影響をしているだけではないようです。
またバッファーもいじりましたが本件とは関係なさそうです。
みみず工房さんにもご相談差し上げていますが、掲示板を見ているだけで色々な問い
合わせがあり恐縮してしまいます、新しいイメージファイルを一日千秋の思いで待つ
ばかり…。
yoさんからは、レイテンシーの問題、カーネル入替えのお話も出ていますが、カーネル
入替えは、私の様なLinux初心者にはハードルが高く、ググって情報を探していますが
ちんぷんかんぷん(T_T)…yungさんにはこのあたりの方法を私の様な素人にも分かる様に
解説頂ければありがたい限りです。
贅沢なお願いで申し訳ございませんがご検討の程、よろしくお願いしますm(__)m
先にも述べましたが、初めてCuBoxを導入したときはPhaseTechの「UDIF7」との相性が悪かったのか、時々プチプチノイズがのりました。気にならないと言えば気にならないレベルだったのですが、そのほかにも同じような症状があちこちで起こっているようでした。
ところが、今回の再始動(「CuBox」+「hiFace Evo」)ではそのあたりの相性が非常によろしいようで、音が途切れたりプチプチノイズがのるようなことは一切起こっていません。
ここからは私の全くの想像なのですが、カーネル云々の問題よりはシステム全体のノイズレベルが課題なのではないでしょうか?
PCオーディオの肝は電源周りも含めてノイズ対策をどうするか・・・だと思っています。
>操作がiアプリのMPoD(無線LAN)の場合は顕著に表れ、Theremin(Mac OSのGMPCみたいなものです)でも全く出ずではなく、発生頻度は1/10程度になります
無線LANは周辺に大量の電磁波ノイズをまき散らします。ですから、私は多少使い勝手が悪くても有線LANを使っています。
しかし、有線LANは無線ほどではないですが、その経路を通してシステムにノイズが混入します。ですから、そのあたりはかなり神経質に対策を施しています。
LANケーブルはノイズに強いカテゴリ7のケーブルを使っていますし、その両端にはLANアイソレーター「RLI-1」をつないでいます。ルーターからのノイズの回り込みを少しでも防ぐために、ハブとルーターの間にはノイズカットフィルターを噛ましています。さらにはハブは「VCCI」と「FCC」の両方で「クラスB」の規格を取得している機器を使っています。当然のことながら、ハブのポートに空きがあるとそこからノイズが漏れ出しますから全てケーブルは差し込んで塞いでいます。
それから、色々な機器の電源ケーブルにフェライトコアを噛ませるのもかなり有効です。(冷蔵やテレビなどという家中の電気製品のケーブルに噛ませている人もいるようです。)音楽データが流れる経路(LANやUSBケーブル)に使うには注意が必要ですが、場合によっては有効なこともあります。
それ以外にも、「CuBox」の電源は付属のチープなスイッチング電源ではなくてきちんとしたものを使いたいのですが、それは今のところ「怖くて」手を出していません。(^^;
こういうノイズ対策は、例え音切れの解決に至らなくても音質向上というメリットは必ずありますので、まずはそのあたりから詰めていかれてはいかがでしょう。
yungさん、こんばんは。
はい、実はyungさんのサイトを勉強させて頂きましてご指摘の内容は、LANアイソレーター「RLI-1」
以外は、現状、ほとんど同じ対策をさせて頂いています。
実は、RLI-1も2個借用しテストを行いましたが状況変わらずで購入に到っていません。
今夜もシンさんがご提案のUSBコネクターにコンデンサを使用した対策部品を引っ張りだし久しぶりに
使用し、10曲中7曲までは問題なかったので「いける!」と喜んだのですが7局目以降息付き再発で
振り出しに戻りました(T_T)
また色々とやってみます。
アドバイスありがとうございました。
あっ、ちなみにCuBoxの電源は、モバイルバッテリーで2.1A出力のあるcheero Power Plus 2 10400mAhを
時々使用しています(Amazonで3,200円です)。
CuBoxは2.0A必要なので結構大食らいですね(笑)
効果は抜群ですがフル充電でないとうまくCuBoxを起動出来なかったり…起動してしまえば消費電力の低い
CuBoxなのでいいのですが…結構難ありかなと。
個人的には高品位なAC/DCアダプターが良いように感じます。
ご参考までm(__)m
>ご指摘の内容は、LANアイソレーター「RLI-1」以外は、現状、ほとんど同じ対策をさせて頂いています。
これは失礼、既に基本的な対策は済んでいたんですね。
そうなるとどこかでレイテンシーが発生していると言うことになりますね。でも、おそらくは「latencytop」なんかを使ってチェックはしているでしょうから、なかなか難しいですね。
ただし、私も「CuBox」+「hiFace Evo」+「D-07X(エソテリック)」と言う環境ですが、非常に安定しています。この連休中は電源入れっぱなしなのですが、ノイズも音切れも一切発生していません。
「CuBox」はみみず工房さんのイメージファイルをそのままで使っています。
いったい何が違うんでしょうね。
こんばんは
私もCuBoxで、やっと願う音が出るようになり、ニンマリしています。
みなさんのおかげです。
豊かな響き、濃い音、刺激のない自然な音、こんな願いを持っている者です。
一段落という所で、私のシステムを紹介させてもらいます。
CuBoxにyoさん「雛祭り版」システムイメージをインストール。
DDCはエレクトロアートのUDA。これがとても安定している。相性がいいのだろう。(エルサウンドのDDCはVoyageMPDでは問題ないが、CuBoxでは長時間使っていると不安定になった。音が切れるようになった。相性が合わないのだろうか?)
クライアントPCは10inch中華アンドロイドタブレットを有線LANで接続。クライアント・ソフトはDroidMPD、タブレット用SSHソフトはTelnet。(CuBoxは終了にあたってPoweroffとコマンドを送る必要があるそうです。)
音質向上のために、フィデリクスUSBノイズフィルターを付けた。これは大きな効果があった。しかし、CuBoxがあまりにも小さくて、USBソケットに直接挿入出来ず、アダプターが必要になった。適当なものが無くて苦労した。
電源ですが、以前自作電源を使ってCuBoxを壊したので、それがトラウマになっている。そこで付属スイッチングアダプターを使い、それに電流をきれいにするアクセサリーを付けることにした。
まず、スイッチング電源は100Vから240Vまでと入力電圧の許容範囲が広いので、直流140Vを付属スイッチングアダプターに入れて、ノイズを少なくした。
そのために下記サイトで教えてもらったパワータップなるものを自作し使用した。
http://milestone.at.webry.info/200606/article_2.html
高圧の直流に感電するのは危険なので、自作には十分注意する必要があり、ケンさん等に指導を仰ぎ、自己責任で自作する必要がある。
さらに、付属電源アダプターの直流5Vに出川式CPMコネクターを挿入する。
http://optimal-life.jp/shopdetail/002001000009/018/000/order/
これで、電源はよしとする。
以上でALIXにVoyageMPDを上回る音となった。
恥ずかしながら、何かの参考になればと思って、私の環境を紹介させてもらいました。