いつもおじゃましているキット屋さんの「店主日記」にこんな記述があって、思わず反応してしまいました。
「真空管アンプをきちんとした環境で初めて聴かれる方もおられてSV-192Sのサンプリングレートを変えたりマスタークロックをON/OFFするだけで音の質感が変わることに驚かれたり44.1k(44.1k/88.2k/176.4k)系と48k系(48k/96k/192k)で音そのものが違う事を自身の耳で確認されたりしながら、単にサンプリングレートを上げる事が良いという平板なお話でなく、録音の良否や曲想によって逆に下げた方がしっくり来る事もあることなどを説明させて頂きました。因みに私はCD音源の場合は44.1kの逓倍で最高の176.4k,CS-PCMのBモードでは48kの逓倍で最高の192k(いずれもクロック有)をデフォルトとして使っています。」
細かいことですが(^^;、「単にサンプリングレートを上げる事が良いという平板なお話でなく、録音の良否や曲想によって逆に下げた方がしっくり来る事もある」という記述の、「逆に下げた方がしっくり来る事もある」というのは、アップサンプリングしないで元の周波数で聞いた方がいい場合もあると言いたかったのを書き間違えたのだと思います。
実際、CD音源(当然44.1K)をアップサンプリングすると、音場が広がって小綺麗になることは事実ですが、逆に、演奏にこめられた気魄やガッツみたいなものがスポイルされるような側面があることも否定できませんでした。そして、私自身、そう言う気魄やガッツみたいなものを再現することにエネルギーを注力しているので、最近は「アップサンプリング」と言うことには否定的でした。
店主の大橋氏も、「録音の良否や曲想によって」はアップサンプリングしない方がいい場合もあるというのは、「SV-192S」というDDコンバーターを売っているお店としては実に誠実で正直な言葉だと思います。
しかし、私が反応したのはそんなことではありません。反応したのは2点。
(1)44.1k(44.1k/88.2k/176.4k)系と48k系(48k/96k/192k)で音そのものが違う。
(2)CD音源の場合は44.1kの逓倍で最高の176.4k,CS-PCMのBモードでは48kの逓倍で最高の192k(いずれもクロック有)をデフォルトとして使っています。
44.1k系と48k系で音そのものが違うという指摘は初めて見たような気がします。私自身、そんなことを考えたこともありませんでした。
それから、アップサンプリングするならば、非整数倍ではなくてシンプルに整数倍する方がいいという指摘も、言われてみれば納得です。
(1)に関しては今すぐ確かめる術はないので、今後の宿題としておきましょう。
しかし、(2)に関してはすぐに確認できます。
私は、今までは何の疑問も感じないで、44.1KのCD音源を192Kか96Kにアップサンプリングして聞いていました。理由は簡単、88.2Kや176.4Kよりも192Kか96Kの方がサンプリングレートが高いのだから、単純に音もそちらの方がいいだろうという考え方をしていたからです。
しかし、落ち着いて考えてみれば、事はそれほど単純ではないことに気づかされます。
例えば、44.1Kを96Kにアップサンプリングしようと思えば、まず最初に整数倍の132.3Kにアップサンプリングし、それから96Kにダウンサンプリングしないといけません。
つまり、44.1Kを直接96Kにはアップサンプリングできないのです。
「CD音源の場合は44.1kの逓倍で」というのは、わざわざアップサンプリングしたものをもう一度ダウンサンプリングするという「アホらしいこと」をするよりは、シンプルにアップサンプリングしただけの88.2Kや176.4Kで聞いた方が音がいいですよと言う指摘です。
まあ、やってみればすぐに確かめられることです。
Frieve Audioで、サンプリングレートを切り替えればお終いです。
結果は・・・、全く大橋氏のおっしゃるとおり、44.1Kを96Kで聞くよりは、88.2Kで聞く方が明らかに音質が自然です。
まいったなぁ・・・、言われてみれば全くその通りです。しかし、こんな単純なことを今まで誰かが書いているのを見たことがありませんから、まさに「コロンブスの卵」かもしれません。
まだまだ、PCオーディオの世界は奥が深そうです。
それから、今回、ついでに「タップ長」や「遮断周波数」などというものも少しいじってみました。
この辺りは、作者自身も「よく分からない」と述べているので、今まではあまりいじってこなかったのですが、どうやらこの辺りの設定でも音質はかなり激変するようです。
詳しいレポートはまた後日。
はじめまして、なんどかちょくちょく拝見させていただいております。
思想が似通っていたので書き込みさせていただきました。
アップサンプリングには似たような印象でしたが、そういった事情があったのですね。
気がつかないでいました。
PCでの再生を本格的に意識し始めたのは5月ごろでいろいろ調べ始めてもうすぐ4ヶ月になります。
(調べてたどり着いたうちの一つがこちらのサイトです。
おかげで今は映像と音を仕事にされていらっしゃる方ともやり取りさせていただいております。
価格.comでも機材リストや独自理論展開しております。
http://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=9832348/
機材/電源/室内音響の3点を重視しております。
今はまだ実践前段階ですが・・・。
ちなみに空間音響測定についての記事もございましたが
☆室内音響測定のすすめ 部分を見ていただければもう少し本格的な測定方法もご覧になれると思います。
あと、個人的に気に入っているTANNOYのPrecision 8Dも高価ではありますが音響測定専用ソフトがマイク付であります。
そのほかの利点もリンクした価格.comに書き込んでありますし、製品レビューのところにレビューサイトのURLも書き込んでありますので参考になればと思います。
もしよければいろいろとやり取りいただければ幸いです。