前回は、インストールする手前まで報告をしたのですが、多くの方が速攻でAOU1Cを発注されたようです。調べてみると、前回紹介した「スイッチサイエンス」や「ヤマモト・ツール・ワークス」ともに在庫切れになってるようです。こういうのは一度在庫切れになるとなかなか新しいのが入荷しないので困ったものです。
とはいえ、買い込んだものの「上手く動作しない!」というコメントも寄せられていますので、私なりの状況を追加報告しておきたいと思います。
ALIXユーザーの方
まず、一番簡単なのは、すでにALIXに「Voyage MPD」をインストールしてALIXユーザーの方です。
この場合は、ALIXに差し込んでいるCFカードの中身をイメージファイルにして読み出し、それをSDカードに書き込めば終わりです。
ただし、シンさんヴァージョンの場合は極度にチューニングされていますので上手く動作しないという報告もあります。私の場合は、ごく普通の、それもかなり古い「voyage-mpd-0.7.5」ですが、何の問題もなく動作しています。
なお、イメージファイルの読み出しと書き込みには「DDWin」を使うのが便利です。使い方はこちらに紹介してありますので参考にしてください。
なお、一点注意が必要なのは、Win8ユーザーの方は、「DDWin」を実行するときに「管理者として実行」を選んで起動させないと挿入したカードを認識しません。
CFカードから読み出したり、SDカードに読み込んだりするのは時間もかかって手間ですが、NASのマウントやネットワーク設定などは自分の環境に合わせて設定されているでしょうから、書き込んだSDカードを差し込めばすぐにでも音が出るはずです。(私の場合はそうでした)
それからもう一つ注意が必要なのは、3つあるLANポートのどれにLANケーブルを差し込むか?と言う問題です。
これはすでにコメント欄でもふれてあるとおりですが、再度確認しておきます。
ALIXにはLANポートは一つしかありませんので、ネットワーク設定ではeth0しか記述がないはずです。それをイメージ-ファイルにしてSDカードに書き込んだのですから、当然のことながらLANポートとして生きているのはeth0だけです。
もう少しわかりやすく説明しますとAPU1Cの3つのLANポートのうち生きているのは一つだけです。ですから、その生きているLANポートにLANケーブルを接続しなければ、NASともクライアントPCとも接続できないわけです。
では、どれがeth0のLANポートなんだというと、3つ並んでいるうちの「シリアルポート側」がeth0です。(後ろから見れば一番左側です)後の二つはLAN端子としては死んでいます。
ですから、LANケーブルを差し込む端子だけは間違わないようにしないといけません。
SDカードに直接インストールする方法
とはいえ、そんなに便利にALIXユーザーだけはないでしょうから、そうなるとSDカードにインストールする必要があります。
インストールは手元にLINUX PCがあれば簡単にできます。
基本的なやり方は、大昔に報告した『「Vine5」から「Voyage MPD」をインストールする』と何ら変わっていません。
プロフィールで「APU」を選択することや、インストール先にディスクを選ぶことなどを間違わなければ、後は基本的に対話方式で進んでいきますので、それを自分の環境に合わせて答えていけば数分で完了するはずです。
イメージフィルを読み出したり、書き込んだりするよりは遙かに時間がかかりませんので、慣れている人ならばこちらを選んだ方がいいかもしれません。
ただし、インストールに使用するPCの環境によって細かい部分は変わってくるみたいですので、あまり私の環境における詳細を報告しても意味がないようです。また、そう言う個々の環境の違いによる細かい対応をネットでの対応でサポートするのは非常に困難です。
ですから、上記のサイトを参考にしても自力では上手くかないと言う人もいるかもしれません。
ですから、Voyage MPDのLatest versionsである「voyage-mpd-0.9.2」をインストールした状態のイメージファイルを以下に公開しておきます。
ただし、ミミズ工房さん(CuBox)やシンさん(Voyage MPD) のように音質面で徹底的にチューニングした優れものではなくて、全くの素の状態です。音質面ではここをスタート地点にしてまだまだ追い込めるとは思いますが、とりあえずシリアルポート側のLAN端子にケーブルをつなげばDHCPサーバーで自動的にアドレスが割り振られて接続はできます。
なお、NASのマウントやそれぞれの環境に合わせた「/etc/mpd.conf」の編集は自己責任で行ってください。
なお、Linux環境が手元にない人は、「ヤマモト・ツール・ワークス」さんの「APU.1C に VirtualBox を用いて Voyage Linux (Voyage MPD) をインストールする」を参考にしてください。
それから、本家の「Voyage Store」では「voyage-mpd-0.9.2」をインストールした「APU Staeter kit」とも言うべきものが189ドルで販売されています。価格的には国内でAPU1Cを入手するよりは少しお得かもしれません。
ユング様
いつもいろいろな情報ありがとうございます。
私もやっとAPU1Cを手に入れました。
しかし上手く繋がりません。
以前の記事「Voyage MPD Starter Kit」のIPアドレスの確認方法 」のコメントにあったような状態で、SShでは接続できるのですが、GMPC からの接続ができない状態です。(「APU1Cに「Voauge MPD」をインストールする 」にあったイメージディスクを使わせていただきました。)
コメントにあったようなチェックはしたり、前のVoyageMPDやCuBoxも持っているのでVoyageMPDで音楽再生が出来る、イメージコピーをシンさんのチューニングしていないものも含めて3~4種類改めて書き直してみては試してみましたがどれも上手く行きません。特にコピーを使うと起動さえできません。
SSH で繋げた時に netstat で確認してもAPU1Cの時はポートの6600番は認識されていません。以前のVoyageMPDの再生の時は確認できます。(Windows7使っていて、Windows のPCからnetstat使っても6600番のポートが確認できました。)
自分なりにいろいろ調べてやってみたのですが策が尽きてしまいました。 旧VoyageMPDでは6600番のポートもちゃんとつながるので、どこに問題があるのかよく判らなくなってしまいました。
何かアドバイス頂けますでしょうか? お手数をおかけしますがよろしくお願いします。
>SShでは接続できるのですが、GMPC からの接続ができない状態です。
おそらく、OSはきちんと起動しているのに、MPDが起動に失敗しているんだと思います。
一度、SSHで接続してMPDを再起動させてみてください。
/etc/init.d/mpd restart
おそらく、何かエラーメッセージが帰ってくると思います。
それを見れば、何かヒントになるのではないでしょうか?
ユング様
ありがとうございます。
同じ質問を間違って再送してしまいました。 消してください、すみません。
>/etc/init.d/mpd restart
やってみてもエラーメッセージは何もありません。
それとも再起動自体が上手くいっていなくて何も言っては来ないのでしょうか?
ちゃんと起動しているか調べることは出来ますか?
よろしくお願いします。
通常はこんな感じですね。
root@voyage:~# /etc/init.d/mpd restart
[ ok ] Stopping Music Player Daemon: mpd.
[ ok ] Starting Music Player Daemon: mpd.
たとえば、「/etc/mpd.conf」にミスがあったりすると
root@voyage:~# /etc/init.d/mpd restart
[ ok ] Stopping Music Player Daemon: mpd.
[….] Starting Music Player Daemon: mpdtokenizer: line 1: Invalid word character
failed!
「 line 1: Invalid word character」・・・みたいな感じでたとえば1行目に問題がありますよ!と教えてくれます。
何の反応もないと言うことはちょっと考えにくいですね。
>ちゃんと起動しているか調べることは出来ますか?
とりあえずは以下のようにすれば確認できます。
root@voyage:~# ps awx | egrep mpd
3677 ? SLsl 0:00 /usr/bin/mpd /etc/mpd.conf
3700 pts/0 S+ 0:00 egrep mpd
これならば起動しています。
root@voyage:~# ps awx | egrep mpd
3728 pts/0 S+ 0:00 egrep mpd
これは駄目です。
どんなものでしょう?
なお、先にふれられていたnetstatコマンドですが、6600番ポートではなくて、以下のようになっていればOKです。
root@voyage:~# netstat -e
Active Internet connections (w/o servers)
Proto Recv-Q Send-Q Local Address Foreign Address State User Inode
tcp 0 52 192.168.0.18:ssh 192.168.0.59:53987 ESTABLISHED root 4982
tcp 0 0 192.168.0.18:942 192.168.0.200:nfs ESTABLISHED root 5021
「192.168.0.18」がVoyage MPDのアドレス、「192.168.0.59」がクライアントPCのアドレス、「 192.168.0.200」がNASのアドレスです。
NASとはnfsで接続しているので「192.168.0.200:nfs」となります。
どんなものでしょうか?
ユング様
ありがとうございます。 お手数をおかけしてすみません。
もう1度voyage-mpd-0.9.2のイメージファイルを使わせていただきやってみました。
>/etc/init.d/mpd restart の結果は・・・
[….] Starting Music Player Daemon: mpderrno: Failed to open database file “/var/lib/mpd/tag_cache”: No such file or directory
fatal_error: Can’t create db file in “/var/lib/mpd”: Permission denied
failed!
> ps awx | egrep mpd の結果は・・・
3890 pts/0 S+ 0:00 egrep mpd
>netstat -e の結果は・・・
Active Internet connections (w/o servers)
Proto Recv-Q Send-Q Local Address Foreign Address State User Inode
tcp 0 248 192.168.0.11:ssh 192.168.0.7:49761 ESTABLISHED root 5778
tcp 0 0 192.168.0.11:44287 192.168.0.:microsoft-ds ESTABLISHED root 6662
Active UNIX domain sockets (w/o servers)
Proto RefCnt Flags Type State I-Node Path
unix 6 [ ] DGRAM 5492 /dev/log
unix 3 [ ] DGRAM 3141
unix 2 [ ] DGRAM 5658
unix 3 [ ] STREAM CONNECTED 6441
unix 2 [ ] DGRAM 5804
unix 3 [ ] STREAM CONNECTED 6275
unix 2 [ ] DGRAM 5524
unix 3 [ ] STREAM CONNECTED 6440
unix 3 [ ] STREAM CONNECTED 6276
unix 3 [ ] STREAM CONNECTED 6498
unix 3 [ ] STREAM CONNECTED 6504 /var/run/dbus/system_bus_socket
unix 3 [ ] STREAM CONNECTED 5622
unix 3 [ ] STREAM CONNECTED 5617
unix 3 [ ] STREAM CONNECTED 5616
unix 2 [ ] DGRAM 5614
unix 3 [ ] STREAM CONNECTED 6497
unix 3 [ ] DGRAM 3140
すみません。
どこまで必要かわからないので全体貼り付けさせていただきました。
APU1C のアドレスは 0.11
クライアントPCは 0.7
NASは 0.100 です。
お手数をおかけします。
よろしくお願いします。
見た感じ、NASがマウントされていないように思います。
ですから、音楽ファイルをデータベース化できないのでMPDが起動しようとしたときにエラーを起こしているようです。(MPDは起動していませんね)
NASをマウントするには「/etc/fstab」を自分の環境に合わせて適切に編集する必要があります。
ただし、この部分に関してはお使いのNASの種類、それぞれのネットワーク環境によって異なってきますので、Voyage MPD導入の最難関になっているようです。
記憶が曖昧で申し訳ないのですが、配布しているイメージファイルでは事前に「/music」ディレクトリは作ってあって、「/var/lib/mpd/music」にシンボリックリンクを張ってあったと思います。(確認してください。)
もしも、その作業が済んでいないようでしたら、以下のコマンドでお願いします。
# remountrw
# mkdir /music
# cd /var/lib/mpd/music
# ln -s /music music
これで、「/music」ディレクトリが作られ、「/var/lib/mpd/music」にシンボリックリンクがはられます。
それから、
「fatal_error: Can’t create db file in “/var/lib/mpd”: Permission denied failed!」
というエラーをはいていますので念のために・・・
# chown -R mpd:audio /var/lib/mpd
も実行しておいてください。
mpdは「mpd:audio」というユーザー権限で動作しますので、「/var/lib/mpd」がその権限で自由に読み書きできるように変更しておきます。
ここまで確認してから「/etc/fstab」を編集します。
一般的に、nfsプロトコル(cifsより音がいい、さらにはNASの側のWindowsファイルサーバー機能もオフにできるのでさらに音質面でも有利)でマウントするならば、以下のような記述を追記すればOKです。
192.168.0.100:/XXXXXX/XXXXXX /music nfs rsize=130048,wsize=4096 0 0
cifsプロトコルならばこんな感じでしょうか。
//192.168.0.100/XXXXXXX /music nfs username=admin,password=XXXXXXXX,uid=mpd,file_mode=0644,dir_mode=0755,iocharset=utf8,rsize=130048,wsize=4096 0 0
「XXXXX」の部分は環境によって異なります。また、nfsプロトコルでマウントするときは、一般的にNASの側の設定も変更が必要になります。
このあたりはお使いの環境によって全く異なってきますので、Google先生に聞きながら勉強してみてください。
分かってみればそれほど難しい話ではありませんので、もう一息頑張ってください。
ユング様
上手くいきました。
本当にありがとうございました。
># cd /var/lib/mpd/music
# ln -s /music music
ここが駄目だった様です。
今までは
>ln -s /music /var/lib/mpd/music
でやって上手くいっていたのですが・・・
>、nfsプロトコル(cifsより音がいい、・・・
これもはじめて知りました。 マウントは大丈夫でした。
何から何まで本当にお世話になりました。
APU1C 楽しみたいと思います。
ありがとうございました。