思い出せないのですが、どこかで再生用のネットワークはルーターを通さない方が音がよくなる・・・みたいなことを書いた記憶があります。
ただし、世間的には全く反応がなく(^^;、いつものごとくの「戯言」としてスルーされてしまいました。
具体的に示すとこんな感じになります。
音楽再生に必要な機器はスイッチングハブにつなぎ、ルーターはそのハブにぶら下げるような形で接続しています。こうしておくと、ルーターに接続しているLANケーブルを引っこ抜いても音楽再生はできます。
この考え方の根拠になったのは「電磁波ノイズ」に関する話題でした。
言うまでもないことですが、ルーターというのはかなりのノイズ発生源です。ですから、ルーター由来の電磁波ノイズが音楽再生に関わるネットワーク内に紛れ込む事を防ぐためにLANケーブルを引っこ抜いて完全に遮断した方が音質的に有利です・・・みたいなことを報告したのでした。
ただし、ルーターに繋いでおかないと、リッピングをしたりVoyage MPDをメインテナンスするときにとても不便ですし、何よりもクライアントPCがネットに接続できなくなってしまいますので、「必要悪」としてルーターをぶら下げているわけです。
ところが、「lightMPD」の作者であるデジファイさんが新しくはじめられた「digifi labo」のコーナーで同じような内容について言及されているのを拝見して、それほど「戯言」ではないと勇気づけられました。
「ネットワークプレーヤ用ネットワーク」
ただし、そこで言及されているのはルーター由来の電磁波ノイズが悪さをしているという話ではなくて、「イーサネットで構築されたネットワークでは自分宛て以外のフレームも受信してしまい、それが音質に影響があると考えネットワークプレーヤ専用のネットワークを作りそれにより不要なフレームを遮断して音質の向上を目指しました。」というものでした。
なるほど、音楽再生に関わるネットワーク内に余分なパケットが紛れ込むと、たしかに音質に悪影響を及ぼしそうな感じがします。
しかしながら、偉そうなことを書いておきながら、現実問題として、音楽を聞くたびにLANケーブルを引っこ抜ぬいたり差し込んだりするのは面倒くさいので、最近は以下のようにハブとルーターを繋ぐLANケーブルにはノイズフィルターを入り口・出口の両方に噛ませることで「良し」としていました。
これで、ルーター由来の電磁波ノイズが音楽再生に関わるネットワーク内に紛れ込む事をできる限り防いでいいる・・・としたのです。
しかし、音質悪化の原因がルーター由来の電磁波だけでなく、余分なパケットが紛れ込むことに主因があるとすれば、電磁波ノイズのフィルタを噛ませていても何の意味もありません。
そこで、久しぶりに、LANケーブルを引っこ抜いて音質の比較をしました。
結果は・・・「差は歴然です!!」と言わざるを得ませんでした。
デジファイさんは「ネットワークを分割してネットプレーヤ専用のネットワークにプレヤーを配置すると音は相当変わります。ネットワークプレーヤを交換する以上に変化しました。私の場合は、刺激的な音がなくなってなめらかになりました。」と報告されています。
ほぼ同感です。
特に、「刺激的な音がなくな」ると言う点は私のシステムでも間違いなく確認できました。
少し古いピアノ録音などでは高域の響きがいささか硬くなって刺激的に響くことが多いのですが、ルーターをネットワークから外すと実にすっきりとします。
ただし、「なめらかになる」という点はいささか異なりました。
私のシステムでは、なめらかになるよりはアコースティック楽器がもっているどこかザラッとした生成の雰囲気が強くなりました。一部のハイエンド機によくあるどどこかツルンとしたなめらかな響きは好きではないので、この生成の雰囲気は悪くありません。
ただし、過去の経験から言って、再生時にいちいちLANケーブルを引っこ抜くというのは意外と手間です。ずぼらな人間はきっとどこかで「ま、いっか」となること間違いなしです。
PCオーディオの歴史を振り返れば常に音質と使い勝手はバーター関係にありました。そして、常に音質は使い勝手に負けてきました。
「音楽を聴く」という日常的な行為に「いらぬ一手間」が入り込むのは結構面倒くさいのです。
そこで、デジファイさんはルーターのIP FORWARD機能を使って、家庭内のLANから音楽再生のネットワークを切り離す事を提案されています。
なるほど、その手があったか!!・・・です。
しかし、電磁波ノイズの発生源であるルーターがネットワーク内に二台も常時起動しているというのは精神衛生的にあまりよろしくありません。
そこで、こんなネットワーク構を考えてみました。
ハブを二台使って、音楽再生時にはハブAの電源をオフにします。
これならば、ルーターのIP FORWARD機能に関するノウハウがなくても大丈夫です。ケーブルを繋ぐだけですから誰でもやろうと思えばできるはずです。
そして、ハブの電源のオンオフボタンをクライアントPCの近くにおいておけば、音楽を聴くためのいつもの作法に「ハブAの電源オフ」という同じようなお作法が追加されるだけです。
音楽を聴くためのいつものお作法
「クライアントPCをオン→NASの電源をオン→NASをオン→APC1C(Voyage MPD)の電源をオン→Evo Supply(hiFace Evo & Evo Clockの電源)をオン→イコライザをオン→DACをオン→プリアンプをオン→パワーアンプ(ROTEL)をオン→パワーアンプ(Accuphase)をオン→サブウーファー(Left)をオン→サブウーファー(Right)をオン」
たかが音楽を聴くためだけにどうして?と言うほどに複雑なシステムになってしまっていますから(^^;、ここに「ハブAの電源オフ」というステップが一つ増えるだけならばきっと実行可能でしょう。
と言うことで、「VCCI クラスB」のハブがもう一台余っているので、必要なのは手元で電源をオンオフできるテーブルタップだけです。近くの量販店に行って手頃なものを買い込んできました。
結果は良好・・・なような気がします。
もちろん、デジファイさんの方法だと「ハブAの電源オフ」なんていう煩わしさも不要なので、基本的にはそちらは本線だろうとは思います。
意外と音楽再生のネットワーク構成というのは盲点になっていることが多いので、そのあたりを一度見直してみると思いの外の効果が期待できると思います。
うちはルータを一つ一つのコンセントごとにオンオフできるタップに繋げて、再生する時にはルータの
コンセントだけをオフにして聞いています。スイッチングハブは1個だけ使用してます。
余分なフレームというのは何を指しているのでしょうね。
Yungさんの記事にコメントする事では無いかも知れませんが。
DHCPはルータの機能でオフにしておけばいいでしょうし、
ARPやRARPの事ならそもそもルータをオフにしてもフレームは必要な時にハブからも流れますし。
こんにちは、「時々プレーヤがAPUを見失い接続が外れてしまいます。」で質問させて頂きました。「ルーターからハブを2つほど介しているため一旦整理してみます。」と申し上げましたが、こちらに答えがあるようですので、1台のハブに電源スイッチを介して試してみます。もし、新しいやり方があるようでしたらアドバイスをお願いします。
「ルーターからハブを2つほど介しているため一旦整理してみます。」と申し上げましたが、その後実際に間に中間スイッチを入れたところ、不具合は解消されました。1台のハブに電源スイッチを介してインターネット環境と音楽再生環境を分けることで「プレーヤがAPUを見失い接続が外れてしまう」現象は発生していません。当分、安心して音楽を楽しむことにします。(*´ω`*)