CD規格って不十分なの?(5)~「量子化ノイズ」と「折り返し歪み」

アナログでは発生せずデジタルでのみ発生するいくつかの問題点があります。
その中で、「量子化ノイズ」と「折り返し歪み」がその問題点の代表選手なので、この二つを取り上げてこのシリーズの最後としたいと思います。
ただし、よく分からなかった部分もあるので、勘違いしている部分がないとは言えませんので、その時は悪しからず。m(_ _)m

量子化ノイズ

「感覚的」にデジタルの欠点として取り上げられるのは、スムーズで滑らかであるべき波形が階段状のギザギザな波形になるというものです。
図で表せば、こんなイメージでしょうか。

ana-digi

こういう図が多くの人に刷り込まれて、だからデジタルは駄目なんだという根拠にもなったりしました。

しかし、少し考えれば分かることですが、階段のステップを小さくしていけば見た目はアナログ波形とほとんど変わらなくなります。実際にエクセルなんかを使って波形を描けば1000分の1秒刻みでデータを取れば十分に滑らか波形画像が得られます。

sine_wave

とはいえ、どれだけきざみを小さくしてももとのアナログ波形とは完全に一致するわけではなくて、その一致しない部分のことを量子化誤差とか量子化ノイズというわけです。

図で表すとこんな感じになります。
直線がアナログの真値で、階段状の波形が量子化したデジタルの値です。見れば分かるように、斜線の部分が真値に対するデジタル信号の誤差となります。この誤差のことを量子化誤差と呼んでいるわけです。

ryousika_2

では、どの程度の誤差がでるのかと言えば、難しい数式を使わなくても直感的に階段の一段分だと言うことは分かるはずです。
これを専門的には小難しく「量子化誤差はLSB(最下位ビット)と等しくなる」と言います。つまりは、階段のきざみを小さくすると必然的に量子化誤差は小さくなるわけです。

ryousika_1

その意味では、明らかに「16bit」のCD規格よりも「24bit」のハイレゾ規格の方が原理的には有利です。
そして、この一つずつの階段で発生する誤差を積分計算したものを量子化ノイズと呼んでいるらしいです。

正弦波信号でモデル的に計算すると、「24bit」の時だと1KΩの抵抗一本分の熱雑音よりも小さくなるそうです。(出典:Interface誌 2014年9月号)

  • 16bitの量子化ノイズ:24.9μV
  • 24bitの量子化ノイズ:0.10μV
  • と1KΩの抵抗一本分の熱雑音:0.57μV

ちなみに、「熱雑音」とは電子回路の宿命として避けられないもので、上で述べたように抵抗一本でもノイズを発生させます。抵抗の値が大きくなるほど、さらには温度が上がるほど熱雑音は大きくなるそうで、オーディオの世界ではホワイトノイズとしてあらわれます。
この熱雑音は電流が流れれば必ず発生します。とりわけ、アンプ内部ではすべての部品から熱雑音が出ると考えた方がいい代物です。ですから、現実の再生環境においては量子化ノイズが音質に与える影響はそれほど大きくないと思われます。少なくとも「24bit」あれば完全に無視できると言い切れると思います。

さらには、デジタルの世界には「ディザリング」という技術があります。このディザリングについては、最初はそれなりに分かったような気になったのですが、突っ込んであれこれ考え出すとよく分からない部分もあるので、あまり深入りはしないことにします。
ただし、Texasの「ディザ信号付加による A/Dコンバータの性能改善」という論文には
「理想的なコンバータを実現するための最適なディザ信号は、電圧レベルが 1/3LSBrmsのホワイト・ノイズです。ディザ信号を付加することで、通常階段状になるA/Dコンバータの伝達関数を効果的に平滑化します。ひずみの低減と分解能の改善の代償としてややS/N比が低下しますが、多くのアプリケーションでは、ディザ信号の付加による利点はそれを犠牲にするだけの価値があります。」
とか
「Schuchmanは、信号から独立した量子化誤差を生じるディザ信号の波形を定義し、理想的なコンバータの最適なディザ信号は1/3LSB rmsのホワイト・ノイズであることを発見しました。更にVanderkooyとLipshitzは、ディザ信号を付加することによってA/Dコンバータの分解能をLSB 以下に改善できることを示しました。」
と書かれています。

その他にも、90年代以降になると、DACの側においても「デルタシグマ型」などに代表されるような補間機能の技術が飛躍的に進歩しました。
おそらく、16bitの量子化ノイズでも、現実的なオーディオ環境であれば無視できる範囲だとは思うのですが、それでも不安が残る場合はPCサイドで「24bit」にアップコンバートすればいいでしょう。
そう言うことが簡単にできるのがPCオーディオのメリットの一つです。

折り返し歪み

これもいまいちよく分からない部分が残るのですが、CD離陸時にデジタルは音が悪いと言われた原因の中で「戦犯」クラスの責任者がこいつらしいことは何となく理解できました。
先に述べた「量子化ノイズ」はビット数に関わる問題だったのですが、こちらは「44.1kHz」というサンプリング周波数に関わる問題です。

もう「耳たこ」の話ですが、もう一度繰り返します。

「取り扱う信号が周波数 fc より高い周波数成分を持たないとき、サンプリング周波数 fs は
  fs≧2fc
であれば、サンプリングされた信号から元の信号は完全に再現される。」

これがサンプリング定理と呼ばれるものです。
そして、CD規格はこのサンプリング定理に、「人間の可聴帯域の上限は20khzである」という知見を当てはめてサンプリング周波数を「44.1kHz」と設定したわけです。

しかし、この基準を満たしていても、そのサンプリングしたデータから偽りの信号を再現することが可能らしいのです。この理屈を理解するにはフーリエ変換なるもの理解する必要があるらしいのですが、それは私には無理です。ですから、以下の内容は第2章 デジタル信号処理入門 (サンプリング定理/エイリアシング)」からの受け売りです。(^^;

この偽りの信号は「サンプリング周波数×n±入力信号の周波数(n=1,2,… ..)」としてあらわれるので、サンプリング周波数の前後に折り返されて出現するらしいです。この折り返されて出現する信号のことを折り返し信号(エイリアシング)と呼ぶそうなのです。
そして、結論から言えば、CD規格で言えば20kHzの手前にこの「折り返し歪み」なるものがあらわれる可能性があるのです。

つまりは、図で表せばこんな感じになります。(オーディオの科学より

orikaesi

オーディオの科学さんの記述をそのまま拝借すれば(拝借と受け売りばかりで申し訳ないのですが・・・^^;)
「20kHz以上の成分は赤線のようにfs/2=20 kHzを対称面として鏡面対称に折り返した信号として記録されてしまい、20kHz以下の元信号に重畳し黒線のようなスペクトルに変形してしまい、元の時間領域の波形は歪んでしまう。」
のです。

そして、CD規格が離陸した当初は「折り返し歪み」に関する知見はそれほど一般的ではなく、かなりのCDが上で示したような「折り返し歪み」が発生してるような状態でデジタル化されていた節があるのです。

イコライジングをした経験がある人ならば納得していただけると思うのですが、10kHzをこえる領域を完全にフラットになるように調整すると現実的にはすこしばかりきつい音に聞こえることが一般的です。ですから、普通はこの帯域はダラ下がりになるように設定するのがイコライジングの定石です。
ですから、上の図で示したような「折り返し歪み」が発生したような状態でCD化されたのならば、それがどれほど悲惨な音になるかは容易に想像がつくはずです。
当初言われた「冷たくて硬い音」という悪評も納得がいくと言うものです。
そして、こういう歪みは録音時やマスタリングの時に付加されてしまうものなので、再生する側にとってはどうしようもありませんから、始末に負えません。
CDの音はいただけない、と言う評価が定着したのはある意味では当然だったのです。

このような「折り返し歪み」が発生するのを防ごうと思えば、そもそものサンプリング周波数を引き上げて、折り返し歪みが発生する領域を可聴帯域よりもはるか上の周波数へと掃き上げてしまうか、デジタル変換する前の音楽信号の20kHzを超える領域を急峻にカットしてしまうかの二通りの方法が考えられます。
CD規格を前提とすれば前者の方法は採れませんから、採用するのは後者の方法と言うことになります。図で示せば、こんな風にカットしてしまえばいいのです。

orikaesi_1

90年代に入る頃にはデジタルフィルターで急峻にカットする必要性が広く認知されるようになり、上の図で示したように急峻なカットが一般的となりました。そして、この変化と軌を一にするようにCDの音質が急激に向上するようになったのです。
しかし、離陸時に刷り込まれた悪印象は熱心なオーディオ愛好家ほど深く刻み込まれたようで、その後の「アナ尊デジ卑」の都市伝説を形作ってしまったのです。

最後のまとめ

確かに、理想的なアナログ信号を前提とするならば、その信号を有限個のデータに間引いて表現するデジタル信号はどこまで行ってもニアイコールの世界にしかなりません。
しかし、この世の中には「理想的なアナログ信号」などというものは存在しませんし、万一そう言うものがあったと仮定しても、今度はその理想的なアナログ信号を理想的な状態で再生できるシステムなどというものは存在しません。つまりは、アナログというのは録音時においても再生時においても、どうしようもないほどの不完全性を内包しているのです。

デジタルはどこまで行ってもニアイコールの世界です。それに対して、アナログはどこまで行っても不完全です。
大雑把に言ってしまえば、ニアイコールと不安定さで帳消し・・・みたいなものなのです。

そして、デジタル固有の問題点と言われる「量子化ノイズ」と「折り返し歪み」も、そのような帳消しの天秤を覆すほどの問題点ではないと言うことは確認できたように思います。
少なくないアナログ派の方々の怒りを買いながらも述べてきたように、「16bit 44.1kHz」というCD規格のデジタルデータは、不完全さを内包しているアナログ再生の世界を包摂するのに十分なだけの器の大きさがあることには間違いはないようです。

ただし、アナログとデジタルでは、その得意分野はいささか違うことに気づくことができたのが、この問題を考え続けてきた中で得た一番大きな成果でした。
前回の最後に、『「16bit 44.1kHz」というCD規格の器は・・・「至高のアナログ再生(^^;」に肩を並べられるような世界を十分に作り上げることができるのです。ただし、その世界はノイズも込みで作り上げるアナログな世界とは全く別物にはなるはずです。「肩を並べる」と言ってもそれはアナログとニアイコールの世界を目指すことではないのです』と述べた背景にはそのような問題意識が芽生えはじめていたからです。

とりわけ、デジタルに関して言えば、サンプリング定理の「サンプリングされた信号から元の信号は完全に再現される。」という「真理」には改めて着目する必要を感じました。もう少し具体的に言えば、CD規格の「44.1kHz」のサンプリング周波数があれば「20kHz」までの音楽信号は完全に再現することができると言うことの重みをもう少し真剣に受け止める必要があるように思うのです。
「そんなことをは当たり前だろう!今さら何を言ってるんだ!!」と言われそうなのですが、その当たり前のことが長年にわたって蔑ろにされてきたのではないかと思うようになったのです。

ただし、そのことについて触れ始めると、全く持って何の役にも立たない「哲学論」からスタートしないといけないような雰囲気なのですが、まあ暇を見つけて続きは書いてみたいとは思っています。


11 comments for “CD規格って不十分なの?(5)~「量子化ノイズ」と「折り返し歪み」

  1. たかえ
    2014年10月5日 at 8:37 AM

    はじめまして。たかえと申します。
    いつもなるほどと思いながら拝見させて頂いております。
    今回の記事で質問があります。
    量子化誤差のグラフをもって24bitの方が誤差が小さいとありますがこのグラフではサンプリング周波数も変わってしまっているのでbit数の違いだけの誤差より多く表現されてしまっているような気がします。
    よく雑誌でもbit数の違いを説明するときにこういうグラフが使われているので見るたびにおかしいなぁと思っているんですが私のグラフの見方が間違っているのでしょうか?このグラフでも別にサンプリング周波数は変わってないのでしょうか?

  2. 2014年10月5日 at 10:23 AM

    量子化誤差のグラフをもって24bitの方が誤差が小さいとありますがこのグラフではサンプリング周波数も変わってしまっているのでbit数の違いだけの誤差より多く表現されてしまっているような気がします。

    ここで使っているグラフはTexsaさんのサイトのものを加工したものですから、論文などにおいても一般的にはこういう形で提出しても問題はないのでしょうね。
    重要なことは、量子化誤差はLSB(最下位ビット)と等しくなることが理解できればいいのだと思います。

    なお、正弦波に対する量子化誤差の分布を積分計算したものを量子化ノイズと呼ぶらしいのですが、数式は

    量子化ノイズ=量子化誤差/√12

    になるらしいので、この数式を見る限りはおそらくサンプリング周波数は関係しないようです。
    ただし、理屈は全く理解できていません。高校時代、もう少しまじめに数学の勉強をしておけばよかった。(^^;

  3. benetianfish
    2014年10月7日 at 12:16 AM

    「CD規格って不十分なの?」シリーズ、楽しく読ませていただきました。最後にはナイキスト定理とかも出てくるのかな、と思っていたら、やはりそこまで行き着きましたね(笑)。サンプリングの理論は私も学生時代に習いましたので、近いうちに復習しないと...

    それにしても、エイリアシング防止のために 20kHz 前後でフィルタをかけるというのは、今でも録音現場では 20kHz 以上の周波数をあまり録音しない、という事と比べて確かに辻褄が合っていますが、CD規格が作られた当時はどれくらい将来性を見込んでいたのか(周波数の上限が上がっていくのか)、興味深いです。

    もし、本当に人間の聴域が最高 20kHz だからそれで十分、とだけ当時の人が考えていたのなら、あまりにも理論に無頓着だったと言わざるを得ません。と、言うのも、音楽の「音色」は音の「波形」に因るもので、ある形の波を作るには(例えば、トランペットの 440Hz だとしましょう)、まず、ある振幅の 440Hz の正弦波、次にその2倍の周波数、880Hz の振幅が小さめの正弦波、次に3倍、その次に4倍、と異なる周波数(元のN倍)と徐々に小さくなる振幅の正弦波を足していって、とある波形が決まるわけですから。(これがいわゆるフーリエ級数解析で、整数Nを自然数に変えて、足し算を積分に発展させたものが一般的なフーリエ解析ですね。)つまり、440Hz の音であったとしても、その波形が完璧なる正弦波ではない限り、それのN倍の周波数の波も少なからず含まれているので、これを録音中に低すぎる周波数でカットしてしまえば、それだけ「波形」にゆがみが生じてしまい、本来の「音色」が失われてしまうわけです。ピアノの最高音で 4kHz 前後なので、そこから 20kHz へは5倍の差しかなく、つまり正弦波からピアノ波を生み出すには5つの倍音を組み合わせるしかないので、ちょっとギリギリかもしれません。(尤も、波形が正弦波に近いほど倍音の数が少なくて済むので、5つもあれば矩形波でもない限り普通は十分とも言えますが。)

    長くなってしまいましたが(知識のひけらかし、失礼しました(汗))、CD 規格が作られた当時、この辺りの理論も十分に考慮した上で 20kHz としたのか、人間の聴域だけで20kHz は十分としたのか、それとも当時の技術的制約でどうせ20kHz 以上は録音される見通しは無いのでこれで十分、とお茶を濁したのか、現実はどうだったのでしょうか?

    実際、初期のCDの音質が悪かった事を考えると、あまり理論的な事は深く考えなかったのかな、とも思えますが...逆に、セールス的な「20kHz まで徹底的に音を詰め込みました!」といった理由でローパスフィルターをきちんとかけていなかったのなら、これはもう言語道断ですねっ!

    • 2014年10月8日 at 9:03 PM

      本当に人間の聴域が最高 20kHz だからそれで十分、とだけ当時の人が考えていたのなら、あまりにも理論に無頓着だったと言わざるを得ません。

      これはかなり微妙です。
      この規格を決めるときには、かなり大規模なブラインドテストを実施した結果、概ね20kHzまでで十分と判断したという話を聞いたことがあります。そして、この手のきちんとした調査はこのとき以外には実施されていないようなのです。

      ですから、この「16bit 44.1kHz」という規格はそれほどいい加減に決められたわけではないようです。楽器の音色が倍音域の響きによって特徴づけられることを知らない専門家なんていません。そう言うことも承知の上で、最終的な落としどころとしてこの規格が決定されたようです。
      業界がいくらハイレゾを宣伝しても、再生の主流が「16bit 44.1kHz」から変わらないと言う現実に、この規格の落としどころの、何とも言えない「ギリギリストライクゾーン的」な強みがでているのではないでしょうか。

      SP→LP→CDという媒体の変化はきわめて速やかに実現しました。
      変化が速やかに起きないというのは、それだけで新しい提案に致命的な欠点があると見た方がいいのかもしれません。
      ハイレゾを推進している方々にとっては頭の痛い現実だと思います。

      • Fuji
        2014年10月9日 at 8:13 AM

        ユング様、皆様、Fujiです。

        私もCDが20KHz以上をカットしてあっても何ら問題は無いと思います。なぜなら、今迄言われて来たCDの音質がLPレコードより劣る理由は20KH以上の音声信号が含まれて無いからだという事だったのですが、今回、ユングさんの検証によって、LPレコードには20KH以上の音声信号は含まれて無いと言う事が証明されました。しかしながら、LPレコードで20KHz以上の音声信号が再生されなくても、魅力的で生に近い音が得られる、と言うレコード愛好家の方々が多いという事は、CDであっても20KHz以上の音声信号が再生されなくても充分LPレコードと同等、あるいわそれ以上の音が出せると思っております。SACD、ハイレゾ音源等も20KHz以上の再生に拘っていますが、私は20KHz以上に拘る必要は無いと思います。なぜなら、20KHz以上の音声信号が再生されなくても、多くのLPレコード愛好家の方々を魅了して止まない音が出せる訳ですから。

        • 2014年10月9日 at 8:47 PM

          LPレコードには20KH以上の音声信号は含まれて無いと言う事が証明されました。

          もう少し正確に補足させてください。(^^;
          20kHz以上の領域は楽器の倍音域における響きです。この領域の響きは、アナログでも、そしておそらくはハイレゾ音源においても、正確に録音されていないことは間違いありません。

          ただし、正確に録音されていなくても再生時にほとんどノイズに近いような形で20kHzをこえる領域の音がスピーカーから出ていることも間違いありません。
          もちろん、そんな信号が付加されたからと言って楽器の倍音域が再生されているわけではありませんから、その楽器の「音色」が忠実に再生されているわけではありません。

          ただし、たとえノイズであっても20kHzをこえる領域の音が付加されることが、結果として人間の耳に心地よく響くことがあるという主張は否定しません。そう言うこともあるような気はします。

          もちろん、そのことをもってアナログは20khzをこえる領域まで再生できる・・・とはなりませんよね。
          言うまでもないことですが、念のために。

          • Fuji
            2014年10月10日 at 7:52 AM

            ユング様、お世話になります。Fujiです。

            >たとえノイズであっても20kHzをこえる領域の音が付加されることが、結果として人間の耳に心地よく響くことがあるという主張は否定しません。

            確かに、CDでは20KHz以上はデジタルフィルターできれいにカットされていますが、LPではその様な事は有りません。コンデンサーマイクの周波数特性も公称20Hz-20KHzで、20KHz以上は-12db/octで減衰していますので、20KH以上の音も多少含まれていると思いますし、ノイズ成分も20KHz以上はなだらかに減衰していると思われます。この辺りの違いによって人間の耳に心地よく響くと可能性は有るかも知れません。ただもしそうだとすると、SACD、ハイレゾ音源は20KHz以上も再生されますが、LPの様に人間の耳に心地よく響くと言う話はあまり聞いた事はありません、この辺りの事に付いてはどの様にお考えでしょうか。

  4. 2014年10月10日 at 8:59 PM

    誤解のないように言い添えておきますが、ノイズだろうと20kHz以上の領域の響きがスピーカーからでているから、アナログは素晴らしいと言ってるわけではありませんよ。(^^;
    もしも、アナログ派の人が自分たちのアドバンテージを主張するとすれば、最後に残っているのはそのあたりのことくらいしかないだろうな・・・と言うレベルの話です。

    SACD、ハイレゾ音源は20KHz以上も再生されますが、LPの様に人間の耳に心地よく響くと言う話はあまり聞いた事はありません、この辺りの事に付いてはどの様にお考えでしょうか。

    おそらくハイレゾ派の人たちは躍起になって否定すると思うのですが、おそらくはこのあたりに大きな勘違い、そしてミスリードがあるのだろうと思います。

    ハイレゾのアドバンテージは20kHz以上の領域の響きが再生されることではありません。
    ハイレゾの最大のアドバンテージは20kHzまでの領域の音がCD規格と比べれば格段の正確さで再生されることにあります。

    ですから、ノイズ込みの20Khz以上の領域の音が再生できる云々の話などは持ち出す必要もない・・・と言うのが正解なのだと思います。

    ただし、CD規格の音楽データを正確に再生できるアナログ環境すら満足に存在しないのに、どうやってハイレゾ音源に立ち向かうの?・・・と言うのが現時点における私の最大のクエスチョンです。
    ですから、今、力を傾注すべきは、CD規格の音楽データをしっかりと再生できるアナログ環境を作ることだと考えています。

  5. Fuji
    2014年10月11日 at 8:26 AM

    ユング様、お世話になります。Fujiです。

    >力を傾注すべきは、CD規格の音楽データをしっかりと再生できるアナログ環境を作ることだと考えています。

    これは難しいテーマですね。ただネット上で散見されるのですが、デジタル音源で作成されたLPレコードから再生される音は、アナログの音になるそうですが、これって本当なんですかね。Linn Records なんかもSACDの音源を使ったLPレコードを出していますから、あながち嘘だとは言えないと思うのですが。(元はパソコンを使って録音した音源ですから、レコード愛好家の方々には許せないのではと思うのですが。)
    もしこれが本当だとすればLPレコードを作成する過程でアナログの音に変身するんでしょうか。LPレコードが出来るまで、と言うのは頭の中ではなんとなくイメージ出来たのですが、実際調べて見るとその工程の多さに驚きました。これだけアナログ信号をいじくり回したら、物理的にも、電気的にも、元の波形(音源)と比べると相当変形してしまい、まともな音など再生されるはずは無いと思うのですが、実際に再生される音はLPレコード愛好家の方々を魅了する音になるとすれば、この辺りにヒントがあるかもしれません。どう思われますか。

  6. AKIRA
    2014年10月11日 at 1:06 PM

    yung 様
    いつも楽しく拝見させて頂いております。
    CDが発売されたのは、私が高校生の頃で、私もCDが発売された当時は、アナログ派でCD否定派でした。私は、父がオーディオマニアと言う事もあり、それなりのアナログ再生装置の音を聞いて育ち、アナログの良い音の世界を知っていました。しかし、当時の雑誌等では、CDになれば高級機と廉価機で音質の差が無くなるとか、家庭でもマスターテープと同じ高音質が味わえるとか、そんな記事が多かっただけに、CDを初めて聞いた時の落胆も大きかったですし、CDは上限が20kHzだからダメとか、デジタルだから波形がギザギザなので、音が悪いという話を信じていました。
    それから時がたち、私も社会人になり、世の中LPレコードが絶滅状態になり、改めてCDを視聴する機会がありました。その時聞いたCDは、私が抱いていたCDイメージを変えるものでした。高額な機種でしたが、衝動買いして、早速お気に入りのカートリッジで、同じLPとCDを何回も聞き比べもましたが、甲乙つけがたい、物によってはCDの方が良いと感じました。(大多数がCDが上)
    私は、一般的に販売されたアナログ(LPレコード)で、今のCDの音質を超える物は、少ないと思います。確かに、特別にカッティングされたLPや、45回転盤のLP等すばらいい音がするものも沢山あります。ですが、LPの世界は奥が深くお金もかかり、手軽に高音質を楽しめる物でも無いと思います。
    私は、アナログの世界も否定はしませんし、すばらしいと思いますが、CDがそれに劣るかというと、下手なアナログよりCDの方が、手軽に高音質を楽しむ事が出来ると思います。
    また、アナログで高音質の世界は、以前yung 様も書いていた様に、それなりにお金のかかる世界で、今となっては超マニアックな世界となってしまいました。
    少なくても、私のレベルでは、今のCD規格でも十分な音質と感じています。
    個人的には、CDの規格よりも、DAコンバータと、アナログ変換後の回路側で、音質が左右されるのかなと思います。

  7. masa
    2014年12月1日 at 12:55 AM

    webで調べ物してたらこのページにたどりつきました。
    よくマニアな方たちが、CDは音が悪いって言いますが、僕自身それは、嘘であり本当であると思っています。
    嘘の部分は、このwebが表現してくれてる。
    本当の部分は、音楽CD初期の頃ってマスタリングが最悪だったから音がこもったりしてた。その時代の中でも、色々と調整して頑張って作ったCDもあったけど、流れ作業でしているCDは音が悪い。
    90年代に良くリマスター盤のCDが出ていたけど、その時の70年代後半から80年代のCDって音が良いですね。
    結局CDが音が悪いのではなく、CDの中に入っていた音が悪いだけだったと思います。

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