大阪ハイエンドオーディオショーの印象など(1)

今月の7日(金)~9日(日)、心斎橋のハートンホテルで大阪ハイエンドオーディオショーが行われました。
こう言うところには長らく顔を出してはいなかったのですが、定年退職時にシステムの一新を狙っているので、昨年あたりから興味をひく試聴会などがあればちょくちょく顔を出しています。このハイエンドオーディオショーは、大阪では一番たくさんの機種が聞ける機会なので、久しぶりに出かけてきました。
ただし、時間的には昼の3時から7時頃までの4時間しかなかったので、どうしても聞いてみたかったブースをのぞくだけになりました。それでも、いろいろ勉強になる4時間ではありました。

がっかりのソナス・ファベール

20年以上もソナスのスピーカーを使っているので、一番興味があったのはやはりソナスの最新スピーカーでした。特に、「Lilium」がどんな音を出しているのかは一番の興味でした。
もちろん、いくら定年退職時のシステム一新と言っても、あんなスピーカーは買えませんし(^^;、万一宝くじに当たって買えたとしても入れる部屋がありません。それでも、最近のソナスの傾向を知る上ではぴったりの機種だと思ったので興味津々でした。

Sonus Faber 「Lilium」

lilium

ただし、結論から言えば「心底がっかり」したと言わざるを得ません。
もちろん、鳴らしている環境はかなり劣悪でした。あの超大型のスピーカーを台車みたいなものに乗せてゴロゴロと転がしてきて、実に大雑把にセッティングしたのには吃驚でした。はっきりと右側のスピーカーが内降りになりすぎていました。
もちろん、事前にセッティング位置などは詰めて床に印を付けてはいたみたいです。しかし、左右でスピーカの振り方が明らかに違っていても気にならない人によるセッティングだったら、そもそものセッティングからしてかなり疑問です。
さすがに、途中で右側のスピーカーが内側に降りすぎていることには気づいたみたいですが、その手直しも実に大雑把でした。

と言うことで、そのあたりのことも割り引かなければいけないのでしょうが、それでも方向性のはっきりしない鳴り方でした。
当然のことですが、かつてのフランコ・セルブリンの美音は欠片もありません。かといって、現在スピーカーの特徴である忠実な変換器として見れば不満だらけです。肥大したブヨブヨの低域に伸びない高域は、まさに誰かが言っていたように「劣化B&W」としかいいようがありません。
説明していた某評論家先生は「雄大な音ですね」と言っていましたが、なるほど、そんな言い方しかないのだろうなと思う鳴り方でした。

残念ながら私の中では、これでソナスは完全に選択肢から消えました。悲しい話です。
ついでながら、アキュフェーズとラックスのブースでは奇しくも両社ともにアッコルドを使って鳴らしていました。まさに、フランコ・セルブリンの美音でした。思わず、次はアッコルドにしようかと思ってしまうほどの素晴らしい音でした。
ただし、それは今の私が次に求める音でないことは確かなので、その美音の魔術から覚めて我に返れば選択肢にはならないことも事実です。

マグネパンのMG3.7i

MAGNEPAN MG3.7i

MG3.7i

一度聞いてみたかったのがマグネパンのブレーナー型のスピーカーでした。何故ならば、次に私がほしいのは「高忠実な変換器」としてのスピーカーなので、こういうブレーナー型の音も聞いてみたかったのです。
扱っていたのはゼファンのブースだったのですが、入ったときは「MG3.7i」のデモは終わりかけで、石川さゆりの「天城越え」しか聞けませんでした。しかし、吃驚したのは、そこで鳴っていた音の傾向は我が家のシステムが鳴らしている音の傾向とものすごく近かったのです。
ソナスのエレクタ・アマトールとマグネパンのブレーナー型のスピーカーが似たような傾向の音でなっているというのは、自分でもにわかに信じがたい「事実」でしたが、それでもやはり似ていることは間違いありません。

ひとことで言えば、いわゆる「ドスン、バスン」というようなパンチが入るような鳴り方は一切しません。
石川さゆりの声が実に自然で素直です。かといって、ブレーナー型というスタイルから想像されるような「薄すぎる」という感じは全くありません。「MG3.7i」くらいの大きさになると、実に中身のつまった音を十分に出しています。
これが定価135万円というのは、周辺で鳴っているスピーカーとくらべれば「格安」に思えてしまうのがハイエンドオーディオショーの怖いところです。

オーディオ・マッシーナの「Pure NSE」

「MG3.7i」のデモがあっという間に終わってしまって、次に登場したのがオーディオ・マッシーナの「Pure NSE」でした。

Audio Machina「Pure NSE」

Pure_NSE

「MG3.7i」の後に見ると実に小さく見ます。しかし、セッティングを行っている人の動きを見るとかなり重いようで、おそらくはエンクロージャーが金属のかたまりらしいことはすぐに分かりました。

しかし、最初の音が出たとたんに、固まってしまいました。
よく、ソースに含まれている音をあるがままに引き出している!と主張するスピーカーは数多いのですが、これぞまさしくそのキャッチコピーがぴったりのスピーカーです。
まさに出しっぱなし!!
綺麗だろうが、汚かろうが一切の演出や誤魔化しはなし!

スピーカーにまでたどり着いた音楽データが、何の色づけもされずに、あるがままにドドドドーッと迸っているがごとくです。
まさに、これぞ、私が次に求めていた音であることはすぐに了解しました。

スピーカーに美音を求める人にとっては、こんな音はごめんでしょう。
それは間違いありません。好き嫌いのはっきりした音です。

ただし、この不細工で不気味なデザインは何とかならないものなのでしょうかね。聞くところによると、「お地蔵さん」というあざながあるようなのですが、実に上手いことを言うものです。
価格もペアで400万円を超えますし、このデザインを考え合わせると、二の足は踏んでしまいます。
でも、オーディオ・マッシーナというブランド名はしっかりと頭に刻み込みました。(次回に続く)


1 comment for “大阪ハイエンドオーディオショーの印象など(1)

  1. gkrsnama
    2014年11月23日 at 10:01 AM

    400万円のスピーカですか。豪勢ですね。ベンツが買えますよね。スピーカなんてェのは30万が高級機ってのが、おれたちロートルの感覚でねえ。

    オーディオフェア(店頭)でセッティングがむちゃくちゃなのは、むしろ当然。きちんと決まっているはずはないのです。ぴたりと合わせようと思ったら、5mm、角度1度から調整しないといけない。縦位置も問題でねぇ。まあいいんですよ。ああいうのはお見合いなわけで、買ってからが勝負です。沢山時間をかけて自分好みに調整する。自分の耳も変わる。そういうのがオーディオです。

    おれですか、おれはヘッドホンに逃げちゃってます。おれは何百万もステレオに投資できません。自作スピーカではどうやってもヘッドホンに勝てない。だからオーディオはSTAXの新製品でもう打ち止めです。あれだって40万くらいしたんですよ。確かにスピーカほどのくっきりとした前後感はないのですが、それでも微妙に前後感はありますし、まあいいんじゃないかとは思っています。ヘッドホンは買ってから後の調整の調整の楽しみ(苦しみ)はありませんけどね。

    ユングさんがかうような超高級機となら、どうなんでしょう。(ヘッドホン派は、スピーカなんかルームアコースティックやクロストークがあるから、ヘッドホンには原理的にかなわないなんて言いますが。)

Comments are closed.