話が少し「cMP2 = cMP + cPlay」の方に流れすぎました。このソフトについてはまだまだ言及したいことがあるのですが、それはまた稿を改めて報告してみたいと思います。
話の流れは、「PCオーディオのボトルネック」についてでした。
今回は、再び話を元に戻して、「ボトルネックその3?PCからインターフェイスにデジタルデータを送り出すとき」です。
そもそも、こんな事を考え出したきっかけがこの部分でした。
20?のケーブルから出てくる課題
デジタルなんだから、転送するくらいでデータが変化したたり劣化したりするはずがないだろうと思うのですが、ケーブルを変えると誰でも分かるほどに音質が向上するのです。
そのココロは、「PCとAudio I/Fの間はエラーが生じてもデータの再送を要求しない転送方式なのでケーブルの性能がもろに音に出ます。」なのです。
調べました。
「アイソクロナス転送」というらしいです。
「連続的周期的なデータを転送を行う。再送がないため確実性は保証されない。」という方式らしいです。
思いっきり「確実性は保証されない。」と書いてますね( _ _ )……….o
それじゃ、どのくらい「保障されないのか?」と言うと、ケーブルによるこの変化を聞くかぎりは決して小さくないように思うのですが、いかがなものでしょうか?
ネット上であれこれ情報を探ったのですが、ごく一般的な記述か、あまりにも専門的な記述かの両極端だったので、結果としてあまりよく分かりませんでした。
ということで、このボトルネックをクリアするためには、できるかぎり品質の良いケーブルをできるかぎり短くして使う、という「よりベター」な選択しかないと言うことになりそうなのですが、ここで一つ頭に閃きました。
要は、PCにインターフェイスをつなぐからこんな問題が起こるのであって、それなら最初からデジタル出力のある高品位のカードを差しこめば、この「アイソクロナス転送」の問題から逃れられるではないですか。
そんなことを考えていると、NGTさんよりこんなコメントをいただきました。
「D/Aコンバータを使用する場合、外部のオーディオインターフェイスを使用することにどのような意味があるのでしょうか?
最近のオンボードチップはネットブック等によく使われるALC268等でも24bit192kHzまでの出力に対応しています。
デジタルデータを取り扱っているので、変わらないような気がするのですが・・・」
まさに因果はめぐる糸車!!
なぜに「オーディオインターフェイス」を使うようになったのかと言えば答えは簡単、昔のサウンドカードは音が悪かったからです。そう、どうしようもなく音が悪かったのです。
そんな時に、プロがハードディスクレコーディングに使っているインターフェイスを使うと、その当時のサウンドカードとは一線も二線も画すほどにすばらしい音が流れてきたのです。
正直言って、今のインターフェイスは「聞き専」の人間にとっては「いらない機能」が多すぎます。私が使っている「Fireface400」も「ハイエンド・クオリティーのデジタルコントロール・マイクプリアンプ」だの、「42bit内部処理648チャンネルミキサー」だの、「16 チャンネルの高速MIDI入出力」だの「アナログ・ライン入力(1/4″TRS)x 6系統」だの、「アナログ・ライン出力 x 8系統」だのが謳われているのですが、「聞き専」の私には全部不要です。
おそらくメーカーにしたって、自社の製品がこんな使われ方をするとは想像していなかったと思います。
ただ、オーディオの世界に一番早くPCが入り込んだのはプロの録音現場でした。そこで培われたノウハウはやはりたいしたもので、民生用のオーディオメーカーが「聞き専」のためのインターフェイスを提案し始めていますが、どこかすっきりしない部分が残っていますし、何よりも「どうしてそんな価格になるの?」というような「商売」の有り様も疑問が残ります。
ただ、考えてみれば、「サウンドカードは音が悪い」と言っていた時代にも、プロ用のサウンドカードは存在したのです。普通の市場に出回っているサウンドカードと比べると何かの間違いではないかと思うような価格だったので、なかなか手が出なかったのです。
でも、PCオーディオも次第に入れ込む人が増えてきて、たとえば「Fireface400」を導入するなら、そこへもう少し足せばそこそこのサウンドカードが入手できる時代にもなりつつあります。
PCオーディオの黎明期は「サウンドカード」で始まり、その後「インターフェイス」に移行し、今また「サウンドカード」が再び話題になる時代なのかもしれません。
ユング君様
またまた突然で申し訳ありません。
「外部のAudio I/Fを使用することにどのような意味があるのか」
について、私なりの考えをお話させていただきます。
一言で言うと、それはPC本体が持つ音への影響から逃れられるからです。
おそらくPCというものは家中で一番というくらい高周波を扱う機器だと
思います。
その高周波の中を実は、デジタルと思われているアナログ信号が流れて
いるのです。
デジタルというのは、人間が頭の中で作り上げた概念にしか過ぎません。
よく考えてみてください。PCの中を流れているのは普通の電気なのです。
普通の電気は0か1しかないというかたちでは流れません。
それを高度な技術で0か1しか無いように見せかけているだけです。
だから「デジタル」というのはデータとしては存在することができても
「信号」としては存在し得ないのです。
つまり、デジタル信号というものは存在せず、実際に流れているのは
極めて高い周波数のアナログ信号ということになります。
アナログ信号なのですから、蛍光灯を切った時のラジオのようにノイズ
が乗るはずなのです。可聴帯域外なので直接的に影響しないだけです。
ここでPCの話に戻ります。
PCの中はこのような高周波で満ちあふれていると、お考えください。
そう思えば、デジタル機器とアナログ機器の境目はある程度はっきりと
分けたいとはお考えになりませんか?
そこに外部のAudio I/Fを使用することの意味があるのです。
そして、それは空間ノイズのみならず電源からくるノイズにも有効です。
当たり前ですがPCのなかにあるパーツは全て電源が必要です。
そしてそれは全て共通の電源から供給されています。
つまりは全てつながっているということになり、そこのどこかがノイズ
の影響を受ければ全てのパーツにその影響が及びます。
デジタルデータの伝送だけであれば1か0か分かればまだ何とかなるの
ですが(実際はそうとも言えないことが多々あります)アナログ変換が
絡むとなると・・・一体どれくらい音に影響を与えているのか想像する
のもいやになるくらいです。
と、いうことなので私は内蔵の機器は使いたくないのです。
上記の文中で不明な点がありましたらお聞きください。
技術的なことには不案内ですが、解る範囲でならお答えできるかもしれません。
ケーブルによってなぜデジタルの音質が変わるのかということは、ここを読むとよく説明されています。
http://homepage3.nifty.com/kanaimaru/AVQA/0f.htm
いろんなケーブルで試したことがあるのですが、音が悪くてもバイナリデータはまったく同じでした。
つまり、デジタルデータの欠落ではなく、クロック情報の精度の問題が音質を変えているようです。
このクロックの精度に、PC内の電磁ノイズは大きく影響していると思っています。
リンクが先頭にしか飛ばないようです。
http://homepage3.nifty.com/kanaimaru/AVQA/0f.htm
このリンクのサイドメニューのうち、
9.音匠仕様、アクセサリーなど の項が参考になります。