最近になって、とても調子よく鳴っているときと、あまり機嫌のよくないときがあります。調子のよいときは、ふわっとした音場が構成されて部屋全体が豊かな音に包まれるような雰囲気になるのに、機嫌の悪いときは、何だかカリカリしたようなやせ気味で面白みのない世界が広がってしまいます。
感覚的には、日中は機嫌が悪いときが多くて、夜になると調子がよくなる雰囲気です。電力使用状況の変化に伴う現象かとも思うのですが、時には日中でも機嫌のいいときもありますし、夜中でも不機嫌なときがあります。それに、我が家はいわゆる第一種住専と呼ばれる住宅街にありますし、近所に大量の電力を使用するような工場もありませんから、それほど電力事情が悪いとも思えません。
と言うことで、理由はよく分からずじまいで、もしかしたら長年使用してきたアンプがへたってきたのかな、とも懸念していました。何しろ、メインで使っているアキュフェーズのプリとパワーは四半世紀は使っていますから、そろそろ後継機を考える必要があることは事実です。そして、この後継機に関してはいささか思うところがあるので、これは沈思熟考を重ねて「エイヤッ!!」と一気に交代させようかと目論んでいます。ただし、そのためにはいささか資金が必要になりますし、現時点ではその資金調達の目処が立っていません。この時点でへたられると中途半端な対応しかできなくなるので、いささか困った話だなと思っていました。
しかし、数日前にピンとひらめくものがあり、あれこれと確かめてみました。そして、その結果から類推すると、どうやらそのひらめきは正解だったようです。
原因は、リスニングルームの隣室においてあるパソコンでした。
このパソコンの電源をオンにすると機嫌が悪くなり、オフにすると調子がよくなります。
ちなみに、隣室には私と妻の仕事用のパソコンが1台ずつ、さらにサイト運営用のサーバー機のバックアップ用パソコンが1台おいてあります。
このパソコンを1台でも電源をオンにすると確実に機嫌が悪くなります。3台ともオンにするともう最悪です。
確たる理由は分かりませんが、この隣室パソコンの電源のオン・オフとリスニングルームの機嫌の良し悪しの間には確実な相関関係があることは間違いありません。
そして、当初「日中は機嫌が悪いときが多くて、夜になると調子がよくなる雰囲気です」というのは、休みの日は『朝起きてくるとまずパソコンをオンにして付けっぱなしにしていることが多い』という生活パターンが関係していたようなのです。ただし、この基本パターンは「絶対」ではありませんので、日中でもパソコンがオフの時がありますし、夜中でもオンにしているときはあります。ですから、「日中は機嫌が悪くて夜中は機嫌が良い」という定式が100%は成立しなかったわけです。
隣室のパソコンの電源がリスニングルームの電力環境にどのような弊害をもたらしているのかをきちんと説明する能力は私にはありません。しかし、この両者の間には密接な関係があることは間違いないようです。
ただ、このような変化は今まであまり気になることがなかったのに、この数ヶ月やけに気になるようになったのです。どうしてかなと思いを巡らせて、思い当たったのが、エルサウンドの「汎用アナログ電源」です。
これは、パソコンとDACをつなぐ役割をしているインターフェイスの「FF400」に使用しているのですが、これで大幅に音質が向上したことは以前に報告しました。
さらに言えば、その電源ケーブルも強化しました。
電源ケーブルを替えてみました。
もう一つ電源ケーブルを替えてみました。
これらの対策によってもたらされた「福音」が隣室パソコンの電源オンによって大幅にスポイルされているようなのです。それは言葉をかえれば、「汎用アナログ電源」の導入や電源ケーブルの強化による「伸びしろ」がいかに大きかったかの証明だと言えそうです。
最近のPCオーディオの世界では、関心は「電源」と「ジッター」の二つに集約されているように見えます。どちらもはまりこむと「魔界」が口を開けていそうなので、あまり近づかないようにしているのですが、今回は図らずも「電源」関係の重要さを垣間見せてもらいました。
「ジッター」絡みの話は少なくない資金がかかりますが、「電源」関係は地道な対策で少しずつ改善が可能です。もちろん、世間では「マイ電信柱」まで突き進む人もいますが、まあそこに至るまでに「やれる事」はいくらもありそうです。
とりあえず、次は仕事部屋の隣で24時間動き続けているサーバー機への対策を考えてみようかと思っています。
電源について、「yungさまのご意見・ご感想」に同感です。
私の対照的な体験をご紹介します。
実家の再生環境は、電源につながるインバータ蛍光灯も、パソコンも有りません。再生装置は、当たり前にアナログです。
他方、現住所の再生環境「電源に繋がる機器はほとんどインバータ付き(歪電流発生器)」です。
結論:比べたとき、前者が優れます。
声楽では顕著という感じを持っています。
平素より大変参考にさせて頂いております。
電源やノイズ対策に凝っていたので、既知の情報かと思いますが、どういう対策をしたか共有させて頂ければと思います。
・アンプと壁コンとの間にノイズカット機能のついた絶縁トランスを挟む
・PCや外付けHDDの電源にも絶縁トランスを使いたいのですが、部屋に複数のトランスがあるのは美しくないので、ノイズフィルターが付いている電源モジュールを導入(クラシックプロのPD12II)。
・電源ケーブルには、フェライトコアの取り付け。
・電源プラグには、コンタクトオイルを塗る。
・電源プラグのケース部分に電磁波吸収テープを巻く。
・PCのCPU周りやメモリーに電磁波吸収シートを貼り付ける。
・USBケーブルを電磁波吸収テープで巻く。
・デジタルアンプの基盤部分を電磁波吸収シートで囲う。
結果としてどれがどれだけ効いたかは分かりませんが、やる前と比べて音はすっきりした気がします。PCがデスクトップであれば、ATX電源にも拘りたいと思っていますが、現状ノートなのでPC自体のノイズ対策は諦めています。
yung さんこんばんは、
毎回こちらのサイトを興味深く読んでいます。yungさんのどこまでも謙虚な姿勢に頭が下がります。これまでいくつか自分で出来そうなことは実践してきました。ところで、30年程前に家を新築した際、オーディオ用の電源は専用線を引いたのですが、PCオーディオとなった今では相部屋の状態です。PC関連のあらゆるノイズから最終的に音を出すアナログ部分を守るには、どのようなやり方が良いのでしょうか?現時点では、ネットワークを含めたPC関連の電源を切り離すべきではないかと考えています。yungさんなら、こうした環境下でPCとネットワーク関連の電源を絶縁トランスを介して切り離しますか、それとも何か別な考えをお持ちでしょうか?
この記事も随分前のものですが、本質的な部分は変わっていないと思います。
そして、細かい対策を施してきましたが、最終的には何らかの絶縁トランスで分離しなければいけないだろうな・・・とは考えています。
実は狙っている製品がありまして、それが念頭にあったので、年末に「近いうちに、デジタル段の電源関係に何らかのクリーン電源を入れる必要性も感じています。」と書いた次第です。
その狙っている製品というのが中村製作所の「NSIT-400T200V」か「NDPS-320KIT」あたりです。
PC系とその後段のデジタル系をこちらに集約すれば、電源環境はかなり改善されるのではないかと踏んでいます。
もしも使っている人がいれば感想などをお聞かせ願いたいものです。
yung さん
大変参考になるご意見と回答ありがとうございます。早速、絶縁トランスを購入して自作することにします。ネットでググッて見たら沢山の方が絶縁トランスの自作について公開しておられました。